2BC 第6章
積分法(数学Ⅱ)
積分法の全体像
\(①\) 積分計算\(,\ ②\) 積分方程式\(,\ ③\) 絶対値付き定積分\(,\ ④\) 面積
主な基本事項・重要ポイント
Point 2BC 6.2.1 不定積分とその性質
\(F^{\prime}(x)=f(x)\) のとき,\(\int_{}^{}f(x)\,dx=\class{mathkuu}{\underline{F(x)+C}}\) (\(C\) は積分定数)
(1) \(x^n\) の不定積分 \[\int_{}^{}x^n\,dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{n+1}x^{n+1}+C}}\] (2) 線形性(和・差・定数倍) \[\int_{}^{}\left\{kf(x)+lg(x)\right\}dx=\class{mathkuu}{\underline{k\int_{}^{}f(x)\,dx+l\int_{}^{}g(x)\,dx}}\] (3) カタマリ積分 \(x+a\) をひとかたまりとみて,そのまま積分する。 \[\int_{}^{}(x+a)^n\,dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{n+1}(x+a)^{n+1}+C}}\]
(1) \(x^n\) の不定積分 \[\int_{}^{}x^n\,dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{n+1}x^{n+1}+C}}\] (2) 線形性(和・差・定数倍) \[\int_{}^{}\left\{kf(x)+lg(x)\right\}dx=\class{mathkuu}{\underline{k\int_{}^{}f(x)\,dx+l\int_{}^{}g(x)\,dx}}\] (3) カタマリ積分 \(x+a\) をひとかたまりとみて,そのまま積分する。 \[\int_{}^{}(x+a)^n\,dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{n+1}(x+a)^{n+1}+C}}\]
【発展】かたまりの中の \(x\) の係数が \(1\) でないときは,その係数で割る。
\[\int_{}^{}(ax+b)^n\,dx=\dfrac{1}{{\color{red}{a}}}\cdot\dfrac{1}{n+1}(ax+b)^{n+1}+C\]
上の (3) は \(a=1\) の場合にあたる。 (理由は数Ⅲの合成関数の微分法で分かる。)
ただし \(n\) は \(0\) 以上の整数,\(a,\ b,\ k,\ l\) は定数。
Point 2BC 6.2.2 定積分とその性質
\(F^{\prime}(x)=f(x)\) のとき
\[
\int_a^b f(x) d x=\class{mathkuu}{\underline{[F(x)]_a^b}}=\class{mathkuu}{\underline{F(b)-F(a)}}
\]
(1) 線形性(和・差・定数倍) \[\int_{a}^{b} \left\{ k f(x)+lg(x)\right\} dx=\class{mathkuu}{\underline{k\int_{a}^{b} f(x) dx+l\int_{a}^{b} g(x) dx}}\] (2) \(\int_{a}^{a}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{0}}\)
(3) 上端・下端の交換 \(\int_{b}^{a}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{-\int_{a}^{b}f(x) dx}}\)
(4) 積分区間の連結・分解 \(\quad \int_{a}^{c}f(x) dx+\int_{c}^{b}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{\int_{a}^{b}f(x) dx}}\)
※積分される関数\(f(x)\)が同じでないと積分区間の連結や分解はできないので注意
\(\because\) (2) \( (左辺)=\class{mathkuu}{\underline{F(a)-F(a)}}=0\)
(3) \( (左辺)=F(a)-F(b)=\class{mathkuu}{\underline{-(F(b)-F(a))}}=(右辺)\)
(4) (左辺)\(=\class{mathkuu}{\underline{\{F(c)-F(a)\} + \{F(b)-F(c)\}}}=F(b)-F(a)=\)(右辺)
(3) 上端・下端の交換 \(\int_{b}^{a}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{-\int_{a}^{b}f(x) dx}}\)
(4) 積分区間の連結・分解 \(\quad \int_{a}^{c}f(x) dx+\int_{c}^{b}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{\int_{a}^{b}f(x) dx}}\)
※積分される関数\(f(x)\)が同じでないと積分区間の連結や分解はできないので注意
\(\because\) (2) \( (左辺)=\class{mathkuu}{\underline{F(a)-F(a)}}=0\)
(3) \( (左辺)=F(a)-F(b)=\class{mathkuu}{\underline{-(F(b)-F(a))}}=(右辺)\)
(4) (左辺)\(=\class{mathkuu}{\underline{\{F(c)-F(a)\} + \{F(b)-F(c)\}}}=F(b)-F(a)=\)(右辺)
Point 2BC 6.2.3 定積分では,積分変数の文字は変えられる!?
\[\int_{a}^{b}f(x) d x=\int_{a}^{b}f(\class{mathkuu}{\underline{t}}) d{\color{red}{t}} \quad\]
←定積分の計算結果に積分変数の文字は含まれないので,積分変数ごと中の関数の変数を丸ごと入れ替えてもよい。
←定積分の計算結果に積分変数の文字は含まれないので,積分変数ごと中の関数の変数を丸ごと入れ替えてもよい。
例:\(\int_{0}^{1}x^2\,dx=\left[\dfrac{x^3}{3}\right]_0^1=\dfrac{1}{3}\),
\(\int_{0}^{1}t^2\,dt=\left[\dfrac{t^3}{3}\right]_0^1=\dfrac{1}{3}\) どちらも同じ値になる。
Point 2BC 6.2.4 積分方程式
\(①\) 積分区間が定数のパターン
積分区間が定数なら,その定積分の値はただの定数。そこで \[\int_{定数}^{定数}f(t)\,dt=k\quad(k は定数)\ とおく!\] 手順1 \(\int_{定数}^{定数}f(t)dt=k\) とおいて,元の積分方程式を \(k\) の式で表す。
手順2 それを \(k\) の定義式に代入して \(k\) の方程式をつくり,\(k\) を決定する。
手順1 両辺を \(x\) で微分する。 (公式:\(\dfrac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(t)\,\underline{dt}=\class{mathkuu}{\underline{f(x)}}\))
手順2 定積分の値が \(\class{mathkuu}{\underline{0}}\) になる \(x\)(=上端と下端が一致する \(x\))を代入する。
積分区間が定数なら,その定積分の値はただの定数。そこで \[\int_{定数}^{定数}f(t)\,dt=k\quad(k は定数)\ とおく!\] 手順1 \(\int_{定数}^{定数}f(t)dt=k\) とおいて,元の積分方程式を \(k\) の式で表す。
手順2 それを \(k\) の定義式に代入して \(k\) の方程式をつくり,\(k\) を決定する。
※ 積分変数に関係ない文字があれば,先に積分の外に出してから置き換える。
例:\(f(x)=\int_{0}^{1}({\color{red}{x}}-t)f(t)\,dt={\color{red}{x}}\int_{0}^{1}f(t)\,dt-\int_{0}^{1}tf(t)\,dt\)
ここで \(\int_{0}^{1}f(t)dt=a\),\(\int_{0}^{1}tf(t)dt=b\) とおくと \(f(x)=a{\color{red}{x}}-b\)。
あとは手順2——この \(f(x)\) を \(a,\ b\) の定義式に代入して,\(a,\ b\) の連立方程式を解く。
\(②\) 積分区間に変数があるパターン例:\(f(x)=\int_{0}^{1}({\color{red}{x}}-t)f(t)\,dt={\color{red}{x}}\int_{0}^{1}f(t)\,dt-\int_{0}^{1}tf(t)\,dt\)
ここで \(\int_{0}^{1}f(t)dt=a\),\(\int_{0}^{1}tf(t)dt=b\) とおくと \(f(x)=a{\color{red}{x}}-b\)。
あとは手順2——この \(f(x)\) を \(a,\ b\) の定義式に代入して,\(a,\ b\) の連立方程式を解く。
手順1 両辺を \(x\) で微分する。 (公式:\(\dfrac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(t)\,\underline{dt}=\class{mathkuu}{\underline{f(x)}}\))
手順2 定積分の値が \(\class{mathkuu}{\underline{0}}\) になる \(x\)(=上端と下端が一致する \(x\))を代入する。
Point 2BC 6.2.5 区間に変数ある場合の定積分
積分区間に変数があると苦手に感じる方がいるが,定積分の定義は特に変わらない!
一般に,\(a\)を定数とし,\(F^\prime (t)=f(t)\)のとき, \[\int_{a}^{x}f(t)\,dt=\class{mathkuu}{\underline{F(x)-F(a)}}\] ←これは \(t\) ではなく \(\class{mathkuu}{\underline{x}}\) の関数 ゆえに,下の式が成り立つ。
一般に,\(a\)を定数とし,\(F^\prime (t)=f(t)\)のとき, \[\int_{a}^{x}f(t)\,dt=\class{mathkuu}{\underline{F(x)-F(a)}}\] ←これは \(t\) ではなく \(\class{mathkuu}{\underline{x}}\) の関数 ゆえに,下の式が成り立つ。
Point 2BC 6.2.6 重要 定積分の微分
\[\dfrac{d}{dx} \int_{a}^{x}f({\color{red}{t}})\underline{d{\color{red}{t}}}=\class{mathkuu}{\underline{f(x)}}\]
\[\because \dfrac{d}{dx} \int_{a}^{x}f(t)dt=\dfrac{d}{dx} \left(\class{mathkuu}{\underline{F(x)-F(a)}}\right)=\class{mathkuu}{\underline{F^\prime(x)}}=f(x)\] この公式は,\(x\)がインテグラルの右肩からポロンと落ちてくるイメージで覚えよう。
Point 2BC 6.2.7 偶関数・奇関数―計算をラクに―
積分区間が原点対称(\(\int_{-a}^{a}\) の形)ならラクに計算できる!
\[\int_{-a}^{a}\left(偶関数\right) dx=\class{mathkuu}{\underline{2\int_{0}^{a}\left(偶関数\right) dx}}\]
\[\int_{-a}^{a}\left(奇関数\right) dx=\class{mathkuu}{\underline{0}}\]
Point 2BC 6.2.8 面積の積分計算
図形の面積を求めるうえでの基本の計算は、\[\int_{左}^{右}\left\{ \left(\class{mathkuu}{\underline{上}}の曲線\right)-\left(\class{mathkuu}{\underline{下}}の曲線\right) \right\} dx\] また、面積の積分計算では、上または下の関数がかわるところで区間を分ける
Point 2BC 6.2.9 \(y=|f(x)|\)のグラフ
絶対値(\(y=|f(x)|\))のグラフは\(\cdots\) \(y=f(x)\)のグラフの負の部分を\(x\)軸で折り返す
例:\(y=|x^2-1|\) は,\(y=x^2-1\) のうち \(-1<x<1\) の部分(\(y<0\) の部分)だけを上に折り返した形。
Point 2BC 6.2.10 絶対値付き定積分
絶対値ときたら・・・中身の正負で場合分け!→積分区間を分割する
例:\(\int_{0}^{2}|x-1|\,dx\) は,\(0\leqq x\leqq 1\) で \(|x-1|=-(x-1)\),\(1\leqq x\leqq 2\) で \(|x-1|=x-1\) だから
\[\int_{0}^{2}|x-1|\,dx=\int_{0}^{1}\left\{-(x-1)\right\}dx+\int_{1}^{2}(x-1)\,dx=\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}=1\]
Point 2BC 6.2.11 6分の1公式
■ 6分の1公式(式変形)
\[\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(x-\beta)\,dx=\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{1}{6}(\beta-\alpha)^3}}\]
放物線と直線,放物線と放物線が2点で交わるとき,その交点の \(x\) 座標を \(\alpha,\ \beta\ (\alpha<\beta)\) とすると, \[(上の曲線)-(下の曲線)=\class{mathkuu}{\underline{a(x-\alpha)(x-\beta)}}\qquad (a は x^2 の係数)\] と因数分解できる。したがって交点から交点までの面積は \[S=\int_{\alpha}^{\beta}\left\{上-下\right\}dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3}}\]
\(\because\) 【展開して計算する】 素直だが整理が面倒。
\[\int_{\alpha}^{\beta}\left\{x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta\right\}dx
=\left[\dfrac{x^3}{3}-\dfrac{\alpha+\beta}{2}x^2+\alpha\beta x\right]_\alpha^\beta=-\dfrac{1}{6}(\beta-\alpha)^3\] \(\because\) 【平行移動で考える】 \(x\) 軸方向に \(-\alpha\) 平行移動しても囲む面積は変わらない。\(\gamma=\beta-\alpha\) とおくと
\(\int_{0}^{\gamma}x(x-\gamma)dx=\left[\dfrac{x^3}{3}-\dfrac{\gamma}{2}x^2\right]_0^\gamma=\dfrac{\gamma^3}{3}-\dfrac{\gamma^3}{2}=-\dfrac{\gamma^3}{6}\)。こちらがラク。
\(\because\) 【カタマリ積分で見る】 \(x-\beta=(x-\alpha)-(\beta-\alpha)\) と\((x-\alpha)\) を絞り出して \(\int_{\alpha}^{\beta}\left\{(x-\alpha)^2-(\beta-\alpha)(x-\alpha)\right\}dx\) を計算しても同じ。12分の1公式ではこの見方が主役になる。
■ 6分の1公式(面積)\(\because\) 【カタマリ積分で見る】 \(x-\beta=(x-\alpha)-(\beta-\alpha)\) と\((x-\alpha)\) を絞り出して \(\int_{\alpha}^{\beta}\left\{(x-\alpha)^2-(\beta-\alpha)(x-\alpha)\right\}dx\) を計算しても同じ。12分の1公式ではこの見方が主役になる。
放物線と直線,放物線と放物線が2点で交わるとき,その交点の \(x\) 座標を \(\alpha,\ \beta\ (\alpha<\beta)\) とすると, \[(上の曲線)-(下の曲線)=\class{mathkuu}{\underline{a(x-\alpha)(x-\beta)}}\qquad (a は x^2 の係数)\] と因数分解できる。したがって交点から交点までの面積は \[S=\int_{\alpha}^{\beta}\left\{上-下\right\}dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3}}\]
例 \(y=3x^2\) と \(y=x^2+4x+6\) で囲まれた面積 \(S\) を求める。
交点は \(3x^2=x^2+4x+6\) より \(2x^2-4x-6=0\),\((x+1)(x-3)=0\) から \(x=-1,\ 3\)。
\(-1<x<3\) では \(y=x^2+4x+6\) が上だから \[S=\int_{-1}^{3}\left\{(x^2+4x+6)-3x^2\right\}dx=-2\int_{-1}^{3}\class{mathkuu}{\underline{(x+1)(x-3)}}\,dx\] \[=-2\cdot\left\{-\dfrac{1}{6}\left(3-(-1)\right)^3\right\}=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{64}{3}}}\] ※ 必ず \(\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(x-\beta)dx\) の形まで持っていくことで(式変形)が使える。ここが要。
※ 答えだけでよければ,\(x^2\) の係数(2つの \(x^2\) の係数の差)\(a=1-3=-2\) を見て \(\dfrac{|a|}{6}\left(3-(-1)\right)^3=\dfrac{2}{6}\cdot 64=\dfrac{64}{3}\) とすぐ出る。(交点は求める必要がある)
※\(\left\{上-下\right\}\) が2次式になればよいので,3次関数どうしで \(x^3\) の係数が等しいときなども使える。
交点は \(3x^2=x^2+4x+6\) より \(2x^2-4x-6=0\),\((x+1)(x-3)=0\) から \(x=-1,\ 3\)。
\(-1<x<3\) では \(y=x^2+4x+6\) が上だから \[S=\int_{-1}^{3}\left\{(x^2+4x+6)-3x^2\right\}dx=-2\int_{-1}^{3}\class{mathkuu}{\underline{(x+1)(x-3)}}\,dx\] \[=-2\cdot\left\{-\dfrac{1}{6}\left(3-(-1)\right)^3\right\}=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{64}{3}}}\] ※ 必ず \(\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(x-\beta)dx\) の形まで持っていくことで(式変形)が使える。ここが要。
※ 答えだけでよければ,\(x^2\) の係数(2つの \(x^2\) の係数の差)\(a=1-3=-2\) を見て \(\dfrac{|a|}{6}\left(3-(-1)\right)^3=\dfrac{2}{6}\cdot 64=\dfrac{64}{3}\) とすぐ出る。(交点は求める必要がある)
Point 2BC 6.2.12 12分の1公式
■ 12分の1公式(式変形)
\[\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^{\color{red}{2}}(x-\beta)\,dx=\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{1}{12}(\beta-\alpha)^4}}\]
\[\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(x-\beta)^{\color{red}{2}}\,dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{12}(\beta-\alpha)^4}}\]
\(\alpha,\ \beta\) のどちらに2乗がついているかで符号が変わるので注意しよう。
\(\because\) 【\((x-\alpha)\) を絞り出す】 \(x-\beta=(x-\alpha)-(\beta-\alpha)\) と見れば,カタマリ積分が使える形になる。
\[\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^2\left\{(x-\alpha)-(\beta-\alpha)\right\}dx
=\left[\dfrac{(x-\alpha)^4}{4}-\dfrac{\beta-\alpha}{3}(x-\alpha)^3\right]_\alpha^\beta\]
\[=\dfrac{(\beta-\alpha)^4}{4}-\dfrac{(\beta-\alpha)^4}{3}=-\dfrac{1}{12}(\beta-\alpha)^4\] \(\because\) 【平行移動で考える】 \(x\) 軸方向に \(-\alpha\) 平行移動しても囲む面積は変わらない。
\(\gamma=\beta-\alpha\) とおいて,同じ面積を表す式を考えると
\[\int_{0}^{\gamma}x^2(x-\gamma)\,dx=\left[\dfrac{x^4}{4}-\dfrac{\gamma}{3}x^3\right]_0^\gamma
=\dfrac{\gamma^4}{4}-\dfrac{\gamma^4}{3}=-\dfrac{\gamma^4}{12}\]
■ 12分の1公式(面積)
3次関数と直線が \(x=\alpha\) で接し,\(x=\beta\) で交わるとき,\(\left\{上-下\right\}\) は \((x-\alpha)^2(x-\beta)\) を含む形になる。よって図のような接点から交点までの面積は,\(x^3\) の係数を \(a\) として
\[S=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^4}}\]
例 \(y=2x^3\) と,\(x=-1\) における接線 \(y=6x+4\) で囲まれた面積 \(S\)。
交点は \(2x^3-(6x+4)=0\),\(2\class{mathkuu}{\underline{(x+1)^2(x-2)}}=0\) から \(x=-1\)(接点),\(x=2\)。
\(-1<x<2\) では \((x+1)^2(x-2)<0\),つまり直線が上だから \[S=\int_{-1}^{2}\left\{(6x+4)-2x^3\right\}dx=-2\int_{-1}^{2}\class{mathkuu}{\underline{(x+1)^2(x-2)}}\,dx\] \[=-2\cdot\left\{-\dfrac{1}{12}\left(2-(-1)\right)^4\right\}=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{27}{2}}}\] ※ 答えだけなら \(\dfrac{|a|}{12}|\beta-\alpha|^4=\dfrac{2}{12}\cdot 3^4=\dfrac{27}{2}\)。
交点は \(2x^3-(6x+4)=0\),\(2\class{mathkuu}{\underline{(x+1)^2(x-2)}}=0\) から \(x=-1\)(接点),\(x=2\)。
\(-1<x<2\) では \((x+1)^2(x-2)<0\),つまり直線が上だから \[S=\int_{-1}^{2}\left\{(6x+4)-2x^3\right\}dx=-2\int_{-1}^{2}\class{mathkuu}{\underline{(x+1)^2(x-2)}}\,dx\] \[=-2\cdot\left\{-\dfrac{1}{12}\left(2-(-1)\right)^4\right\}=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{27}{2}}}\] ※ 答えだけなら \(\dfrac{|a|}{12}|\beta-\alpha|^4=\dfrac{2}{12}\cdot 3^4=\dfrac{27}{2}\)。
Point 2BC 6.2.13 3分の1公式
■ 3分の1公式(式変形) カタマリ積分そのもの。
\[\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^2\,dx=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{3}(\beta-\alpha)^3}}\] ■ 3分の1公式(面積)
放物線と,その接線と,直線 \(x=\beta\) で囲まれた部分では,接点を \(x=\alpha\) とすると,
\[(上の曲線)-(下の曲線)=a(x-\alpha)^2\]
の形になる。よって面積は,\(x^2\) の係数を \(a\) として
\[S=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{|a|}{3}(\beta-\alpha)^3}}\]
例 \(y=3x^2\) と,\(x=1\) における接線 \(y=6x-3\) と,直線 \(x=3\) で囲まれた面積 \(S\)。
\(1<x<3\) では \(3x^2-(6x-3)=\class{mathkuu}{\underline{3(x-1)^2}}>0\) だから放物線が上。よって \[S=\int_{1}^{3}\left\{3x^2-(6x-3)\right\}dx=3\int_{1}^{3}\class{mathkuu}{\underline{(x-1)^2}}\,dx =3\left[\dfrac{(x-1)^3}{3}\right]_1^3=\class{mathkuu}{\underline{8}}\]
\(1<x<3\) では \(3x^2-(6x-3)=\class{mathkuu}{\underline{3(x-1)^2}}>0\) だから放物線が上。よって \[S=\int_{1}^{3}\left\{3x^2-(6x-3)\right\}dx=3\int_{1}^{3}\class{mathkuu}{\underline{(x-1)^2}}\,dx =3\left[\dfrac{(x-1)^3}{3}\right]_1^3=\class{mathkuu}{\underline{8}}\]
Point 2BC 6.2.14 放物線の性質(2本の接線)
入試頻出。記述でいきなり使ってはいけないが,知識としてもっておくと見通しが立つ。
放物線 \(y=ax^2+bx+c\) 上の \(x=\alpha,\ \beta\) の点における接線を引き,その交点を \(P\) とする。
性質1 \(P\) の \(x\) 座標は,接点の \(x\) 座標の平均
\[x_P=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{\alpha+\beta}{2}}}\] 性質2 図で,弦と放物線が囲む面積 \(S\) と,2本の接線と放物線が囲む面積 \(T\) は
\[S:T=\class{mathkuu}{\underline{2:1}}\] 性質3(12分の1公式の2次関数版)
\[T=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3}}\]
\(S\) は6分の1公式で \(\dfrac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\)。性質2と合わせれば性質3が出る。
Point 2BC 6.2.15 面積の相等 -蝶々型-
右の図で,\(S_1 =S_2\) ならば,
\[\int_{\alpha}^{\beta}\{\class{mathkuu}{\underline{f(x)-g(x)}}\}dx=0\] \(\because S_1=\int_{\alpha}^{\gamma}\{f(x)-g(x)\}dx\)
\(S_2=\int_{\gamma}^{\beta}\{g(x)-f(x)\}dx\) (覚えることではないが,意味は理解しておこう)
\(S_2=\int_{\gamma}^{\beta}\{g(x)-f(x)\}dx\) (覚えることではないが,意味は理解しておこう)
Point 2BC 6.2.16 求めやすい面積を用いよ!
面積を求めるとき,与えられた形のまま最後まで積分する必要はない。
求めやすい図形に分解したり,全体から引いたりすると,計算量がぐっと減ることがある。
使える手
・三角形や台形など,積分せずに面積が求まる部分は,積分しない。
・6分の1公式・12分の1公式・3分の1公式が使える部分があれば,全体からその部分を引く方が速いこともある。
・対称性が使えるなら,半分だけ求めて2倍する。
例 放物線 \(y=x^2\) と直線 \(y=x+2\) と \(y\) 軸で囲まれた部分のうち,\(x\geqq 0\) の部分の面積 \(S\)。
そのまま積分すると \[S=\int_{0}^{2}\left\{(x+2)-x^2\right\}dx\] を計算することになる。
台形から引くと 直線 \(y=x+2\) の下側は台形(上底 \(2\),下底 \(4\),高さ \(2\))だから \[S=\dfrac{(2+4)\times 2}{2}-\int_{0}^{2}x^2\,dx=6-\dfrac{8}{3}=\dfrac{10}{3}\] と,積分するのは \(x^2\) だけで済む。
どちらが速いかは場合による。計算を始める前に一度見比べるのが大事。
そのまま積分すると \[S=\int_{0}^{2}\left\{(x+2)-x^2\right\}dx\] を計算することになる。
台形から引くと 直線 \(y=x+2\) の下側は台形(上底 \(2\),下底 \(4\),高さ \(2\))だから \[S=\dfrac{(2+4)\times 2}{2}-\int_{0}^{2}x^2\,dx=6-\dfrac{8}{3}=\dfrac{10}{3}\] と,積分するのは \(x^2\) だけで済む。
どちらが速いかは場合による。計算を始める前に一度見比べるのが大事。
・三角形や台形など,積分せずに面積が求まる部分は,積分しない。
・6分の1公式・12分の1公式・3分の1公式が使える部分があれば,全体からその部分を引く方が速いこともある。
・対称性が使えるなら,半分だけ求めて2倍する。
「本当にこのまま積分するのが一番速いか?」を,計算を始める前に一度確認する癖をつけよう。
この章の振り返り
いかがでしたでしょうか。積分法は、微分の逆をたどる計算と面積を求める道具という\(2\)つの顔を持つ章でした。計算としては微分より手間がかかる一方、問題の型はかなり限られています。面積を求める流れは、ほぼ決まっています。まず交点を求めて積分区間を決める、次にどちらのグラフが上にあるかを確定させる、そして上から下を引いて積分する。この\(3\)手順のうち、実際に間違えるのは\(2\)番目です。上下が入れかわる区間があるのに気づかないまま計算すると、符号を取り違えて面積が小さく出ます。絶対値付きの定積分や\(y=|f(x)|\)のグラフを丁寧に扱ったのは、そこが分かれ目だからでした。
計算をラクにする道具もこの章の見どころです。偶関数・奇関数の性質を使えば、対称な区間の積分は半分の手間で済み、奇関数なら\(0\)と即答できます。\(6\)分の\(1\)公式・\(12\)分の\(1\)公式・\(3\)分の\(1\)公式は、放物線と直線という頻出の組み合わせについて答えを先に用意したものです。試験では時間を大きく節約できますが、使える形かどうかの確認を怠ると事故になります。適用条件は必ず一緒に覚えてください。
定積分の微分や積分方程式は、積分と微分が逆の操作であることを直接使う問題でした。上端が変数になっている定積分を\(x\)で微分すると被積分関数が戻ってくる、という一点を押さえておけば処理できます。区間に変数が入っている形も、この延長で考えられます。