2BC 第6章

積分法(数学Ⅱ)

積分法の全体像

\(①\) 積分計算\(,\ ②\) 積分方程式\(,\ ③\) 絶対値付き定積分\(,\ ④\) 面積

主な基本事項・重要ポイント

Point 2BC 6.2.1 不定積分とその性質
\(F^{\prime}(x)=f(x)\)のとき\(, \qquad\int_{}^{}f(x) d x=\class{mathkuu}{\underline{F(x)+C}}\)

(1) \(\int_{}^{} x^n d x=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{n+1} x^{n+1}+C}}\)
カタマリ積分\(\int_{}^{}(x+a)^n d x=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{n+1}(x+a)^{n+1}+C}}\)
※発展:\(\int_{}^{}(ax+b)^n d x=\dfrac{1}{a(n+1)}(ax+b)^{n+1}+C\)も成り立つ。(上式は\(a=1\)のときと同等)
(2) 線形性(和・差・定数倍)\[\int_{}^{} \left\{ k f(x)+lg(x)\right\} dx=\class{mathkuu}{\underline{k\int_{}^{} f(x) dx+l\int_{}^{} g(x) dx}}\]
ただし、\(n\) は 0 または正の整数, \(a,b,k,l\) は定数, 積分定数をCとした。
Point 2BC 6.2.2 定積分とその性質
\(F^{\prime}(x)=f(x)\) のとき \[ \int_a^b f(x) d x=\class{mathkuu}{\underline{[F(x)]_a^b}}=\class{mathkuu}{\underline{F(b)-F(a)}} \] (1) 線形性(和・差・定数倍) \[\int_{a}^{b} \left\{ k f(x)+lg(x)\right\} dx=\class{mathkuu}{\underline{k\int_{a}^{b} f(x) dx+l\int_{a}^{b} g(x) dx}}\] (2) \(\int_{a}^{a}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{0}}\)

(3) 上端・下端の交換 \(\int_{b}^{a}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{-\int_{a}^{b}f(x) dx}}\)
(4) 積分区間の連結・分解 \(\quad \int_{a}^{c}f(x) dx+\int_{c}^{b}f(x) dx=\class{mathkuu}{\underline{\int_{a}^{b}f(x) dx}}\)

※積分される関数\(f(x)\)が同じでないと積分区間の連結や分解はできないので注意

\(\because\) (2) \( (左辺)=\class{mathkuu}{\underline{F(a)-F(a)}}=0\)
(3) \( (左辺)=F(a)-F(b)=\class{mathkuu}{\underline{-(F(b)-F(a))}}=(右辺)\)
(4) (左辺)\(=\class{mathkuu}{\underline{\{F(c)-F(a)\} + \{F(b)-F(c)\}}}=F(b)-F(a)=\)(右辺)
Point 2BC 6.2.3 【少し発展】定積分では,積分変数の文字は変えられる!?
\[\int_{a}^{b}f(x) d x=\int_{a}^{b}f(\class{mathkuu}{\underline{t}}) d{\color{red}{t}} \quad\]  ←定積分の計算結果に積分変数の文字は含まれないので,積分変数ごと中の関数の変数を丸ごと入れ替えてもよい。
Point 2BC 6.2.4 積分方程式
\(①\)積分区間が定数のパターン

 \(\int_{定数}^{定数}f(t)dt=\class{mathkuu}{\underline{k}}\)とおけ!(\(k\)は定数)
ただし、積分変数に関係ない文字があれば先に積分の前に出してから置き換える。

例:\[f(x)=\int_{0}^{1}({\color{red}{x}}-t)f(t)dt={\color{red}{x}}\int_{0}^{1}f(t)dt-\int_{0}^{1}tf(t)dt\] ここで,\(\int_{0}^{1}f(t)dt=a\),\(\int_{0}^{1}tf(t)dt=b\) とおくと,\(f(x)={\color{red}{x}}a-b\) となる。
\(②\)積分区間に変数があるパターン  STEP.1 両辺 \(x\) で微分する。 (公式:\(\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{d}{dx} \int_{a}^{x}f(t)\underline{dt}=f(x)}}\) 利用)
 STEP.2 定積分の値を0 にするような \(x=●\) を代入する。
Point 2BC 6.2.5 区間に変数ある場合の定積分
積分区間に変数があると苦手に感じる方がいるが,定積分の定義は特に変わらない!

一般に,\(a\)を定数とし,\(F^\prime (t)=f(t)\)のとき, \(\int_{a}^{x}f(t)dt=\class{mathkuu}{\underline{F(x)-F(a)}} ←\)これは\(t\)ではなく\(\class{mathkuu}{\underline{x}}\)の関数 ゆえに,下の式が成り立つ。
Point 2BC 6.2.6 重要 定積分の微分
\[\dfrac{d}{dx} \int_{a}^{x}f({\color{red}{t}})\underline{d{\color{red}{t}}}=\class{mathkuu}{\underline{f(x)}}\] \[\because \dfrac{d}{dx} \int_{a}^{x}f(t)dt=\dfrac{d}{dx} \left(\class{mathkuu}{\underline{F(x)-F(a)}}\right)=\class{mathkuu}{\underline{F^\prime(x)}}=f(x)\] この公式は,\(x\)がインテグラルの右肩からポロンと落ちてくるイメージで覚えよう。
Point 2BC 6.2.7 偶関数・奇関数―計算をラクに―
\(\int_{-●}^{●}\)の形はラクに計算できる! \[\int_{-●}^{●}\left(偶関数\right) dx=\class{mathkuu}{\underline{2\int_{0}^{●}\left(偶関数\right) dx}}\] \(\int_{-●}^{●}\left(奇関数\right) dx=\class{mathkuu}{\underline{0}}\)
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Point 2BC 6.2.8 面積の積分計算
図形の面積を求めるうえでの基本の計算は、\[\int_{左}^{右}\left\{ \left(\class{mathkuu}{\underline{上}}の曲線\right)-\left(\class{mathkuu}{\underline{下}}の曲線\right) \right\} dx\] また、面積の積分計算では、上または下の関数がかわるところで区間を分ける
積分面積
Point 2BC 6.2.9 \(y=|f(x)|\)のグラフ
絶対値(\(y=|f(x)|\))のグラフは\(\cdots\) \(y=f(x)\)のグラフの負の部分を折り返す
Point 2BC 6.2.10 絶対値付き定積分
絶対値ときたら・・・中身の正負で場合分け!→積分区間を分割
Point 2BC 6.2.11 6分の1公式
放物線直線、あるいは 放物線放物線の問題で,下図のような交点から交点の面積では、以下の公式が使えることがある。
\[\int_{左}^{右}\left(上-下\right) dx\] \[=●\int_{\alpha}^{\beta}\left(x-\alpha\right) \left(x-\beta\right)dx\] \[=●\cdot \left\{\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{1}{6}(\beta-\alpha)^3}}\right\}\]
(\(x^2\)の係数の●を忘れない!)
よって,図の面積\(S=\dfrac{|●|}{6}(\beta-\alpha)^3\) とすぐに求まるが,結果だけ用いるのは控えよう。

\(※要は\left(上-下\right)\)が2次関数になればよいので、
3次関数同士で\(x^3\)の係数が等しいときなども使える。
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Point 2BC 6.2.12 12分の1公式
記述問題で,積分を用いた立式無しに結果だけ使うのはNG。マークなどは有効。 \[\int_{左}^{右}\left(上-下\right) dx =●\int_{\alpha}^{\beta}\left(x-\alpha\right)^2 \left(x-\beta\right)dx\] \[\left(=●\int_{\alpha}^{\beta}\left(x-\alpha\right)^2\{ \left(x-\alpha\right)-\left(\beta-\alpha\right)\}dx \right) =●\cdot \left\{\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{1}{12}(\beta-\alpha)^4}}\right\}\]
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Point 2BC 6.2.13 3分の1公式
記述問題で,積分を用いた立式無しに結果だけ使うのはNG。マークなどは有効。 \[\int_{左}^{右}\left(上-下\right) dx=●\int_{\alpha}^{\beta}\left(x-\alpha\right)^2dx =●\cdot \left\{\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{3}(\beta-\alpha)^3}}\right\}\]  (カタマリ積分)
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※これらの公式を用いるときは,\(x^2\)の係数の●を忘れない!
Point 2BC 6.2.14 放物線の性質
以下の性質は入試頻出であるので、記述で使ってはいけないが知っておくと便利である。
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公式1:放物線 \(y=ax^2+bx+c\) 上の二点 \(A,B\) における接線の交点を \(P\) とおくとき,\(P\) の\(x\)座標は \(A,B\) の\(x\)座標の平均となる

公式2:図において \(S:T=2:1\) である

また、このTの面積を求める式を12分の1公式ということもある。(「公式1を用いて3分の1公式を2回利用して証明」\(or\)「6分の1公式で\(S\)を求め、公式2の性質と合わせて証明」
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1/12公式(二次関数版):放物線 \(y=ax^2+bx+c\) の2本の接線の接点の\(x\)座標を \(\alpha,\beta\) とおくとき,放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積\(T\)は, \[T=\dfrac{|a|}{12}|\beta-\alpha|^3\]
Point 2BC 6.2.15 面積の相等 -蝶々型-
右の図で,\(S_1 =S_2\) ならば, \[\int_{\alpha}^{\beta}\{\class{mathkuu}{\underline{f(x)-g(x)}}\}dx=0\] \(\because S_1=\int_{\alpha}^{\gamma}\{f(x)-g(x)\}dx\)

\(S_2=\int_{\gamma}^{\beta}\{g(x)-f(x)\}dx\)
(覚えることではないが,意味は理解しておこう)
面積の相等
Point 2BC 6.2.16 円・扇形の面積は・・・
円・扇形の面積は・・・なるべく積分せず\(\pi r^2 \times \dfrac{中心角}{360^\circ}\)を利用せよ!
Point 2BC 6.2.17 求めやすい面積を用いよ!
積分計算で面積を求めるとき、被積分関数をそのまま最後まで積分する必要はない。図形として求めやすい部分に分解・変形すると、計算量をぐっと減らせることがある。

三角形など、積分せずに面積が求まる部分があれば、その部分は積分せずに済ませる。

・6分の1公式・12分の1公式・3分の1公式などが使える部分があれば,全体からその面積を引き算する方が速いこともある。

「本当にこのまま積分するのが一番早いか?」を、計算を始める前に一度確認する癖をつけよう。

この章の振り返り

いかがでしたでしょうか。積分法は、微分の逆をたどる計算面積を求める道具という\(2\)つの顔を持つ章でした。計算としては微分より手間がかかる一方、問題の型はかなり限られています。

面積を求める流れは、ほぼ決まっています。まず交点を求めて積分区間を決める、次にどちらのグラフが上にあるかを確定させる、そして上から下を引いて積分する。この\(3\)手順のうち、実際に間違えるのは\(2\)番目です。上下が入れかわる区間があるのに気づかないまま計算すると、符号を取り違えて面積が小さく出ます。絶対値付きの定積分や\(y=|f(x)|\)のグラフを丁寧に扱ったのは、そこが分かれ目だからでした。

計算をラクにする道具もこの章の見どころです。偶関数・奇関数の性質を使えば、対称な区間の積分は半分の手間で済み、奇関数なら\(0\)と即答できます。\(6\)分の\(1\)公式・\(12\)分の\(1\)公式・\(3\)分の\(1\)公式は、放物線と直線という頻出の組み合わせについて答えを先に用意したものです。試験では時間を大きく節約できますが、使える形かどうかの確認を怠ると事故になります。適用条件は必ず一緒に覚えてください。

定積分の微分や積分方程式は、積分と微分が逆の操作であることを直接使う問題でした。上端が変数になっている定積分を\(x\)で微分すると被積分関数が戻ってくる、という一点を押さえておけば処理できます。区間に変数が入っている形も、この延長で考えられます。