2BC 第2章
図形と方程式
入試数学における図形と方程式の立ち位置
図形問題の全体像
Point 2BC 2.2.1 図形問題ときたら・・・
まずは図をきれいに描く! 図を描く習慣をつけよう。
図から図形の特徴をつかむことが,解法選択の出発点。
そのうえで,使える解法は次の4つ。 ① まずは幾何! (数学Ⅰの三角比と,主に数学Aの図形の知識)
・三角比 直角三角形の三角比・正弦定理・余弦定理
・相似・合同 意外と気づきにくいので頭の引き出しの手前に!
・図形の性質 チェバ・メネラウス,方べきの定理,中線定理,接弦定理 など
② 座標設定(図形と方程式(数Ⅱ)へ)
③ ベクトル(平面はもちろん,四面体や平行六面体など特に空間に強い)
④ 複素数平面(回転絡み)(履修者のみ)
まずは①幾何を考え,見通しが立たなければ②〜④を選択しよう!
そのうえで,使える解法は次の4つ。 ① まずは幾何! (数学Ⅰの三角比と,主に数学Aの図形の知識)
・三角比 直角三角形の三角比・正弦定理・余弦定理
・相似・合同 意外と気づきにくいので頭の引き出しの手前に!
・図形の性質 チェバ・メネラウス,方べきの定理,中線定理,接弦定理 など
② 座標設定(図形と方程式(数Ⅱ)へ)
③ ベクトル(平面はもちろん,四面体や平行六面体など特に空間に強い)
④ 複素数平面(回転絡み)(履修者のみ)
まずは①幾何を考え,見通しが立たなければ②〜④を選択しよう!
Point 2BC 2.2.2 4つの解法の特徴と使い分け
① 幾何 多少発想や経験値が必要。手順が一定でない代わりに,ハマれば計算量が一気に減る。三角形が鋭角か鈍角か,そもそも三角形が成り立つかで式が変わる場面などもあり,場合分けの漏れにも注意が必要。
② 座標設定 座標を自分で設定することで,図形の方程式など代数に持っていく解法。計算量は多くなりがちだが,逆にいえば図に頼らず計算だけで押し切れるのが強み。直角の多い図形や,長さの関係式が与えられた問題で有力。中点や重心,直角の部分を原点に取ってみるなど,座標の取り方の工夫で計算量を減らせることも多い。
③ ベクトル 特に空間図形などでは標準的な手段。四面体・平行六面体などと相性がよく,計算量が少なく済むことも多い。各点の成り立ちなど,あらゆる条件をベクトルの式に書き換えられるようになると強みになる。
④ 複素数平面 主に回転がからむ問題で威力を発揮する。(履修者のみ)
② 座標設定 座標を自分で設定することで,図形の方程式など代数に持っていく解法。計算量は多くなりがちだが,逆にいえば図に頼らず計算だけで押し切れるのが強み。直角の多い図形や,長さの関係式が与えられた問題で有力。中点や重心,直角の部分を原点に取ってみるなど,座標の取り方の工夫で計算量を減らせることも多い。
③ ベクトル 特に空間図形などでは標準的な手段。四面体・平行六面体などと相性がよく,計算量が少なく済むことも多い。各点の成り立ちなど,あらゆる条件をベクトルの式に書き換えられるようになると強みになる。
④ 複素数平面 主に回転がからむ問題で威力を発揮する。(履修者のみ)
点と直線
Point 2BC 2.3.1 点と座標
A\((x_1, y_1)\),B\((x_2, y_2)\),C\((x_3, y_3)\)とする。
- 2点A, B間の距離は, \[ \text{AB} = \class{mathkuu}{\underline{\sqrt{(x_2 - x_1)^2 + (y_2 - y_1)^2}}} \] 特に,原点Oと点Aの距離は, \[ \text{OA} = \class{mathkuu}{\underline{\sqrt{x_1^2 + y_1^2}}} \]
- 線分ABを \(m:n\) に内分する点の座標は,
\[
\hspace{-5mm}\left(\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{nx_1 + mx_2}{m+n},\ \dfrac{ny_1 + my_2}{m+n}}} \right)
\]
線分ABを \(m:n\) に外分する点の座標は,
\[
\hspace{-10mm}\left( \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{-nx_1 + mx_2}{m-n},\ \dfrac{-ny_1 + my_2}{m-n}}} \right)
\]
※「\(m:(-n)(=(-m):n)\)に内分と同じ」
と認識すればよい。 - 線分ABの中点M,三角形ABCの重心Gの座標は, \[ M\left( \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{x_1 + x_2}{2},\ \dfrac{y_1 + y_2}{2}}} \right),\quad G\left( \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{x_1 + x_2 + x_3}{3},\ \dfrac{y_1 + y_2 + y_3}{3}}} \right) \]
Point 2BC 2.3.2 点に関して対称な点
点A\((a, b)\)に関して2点P\((x_1, y_1)\),Q\((x_2, y_2)\)が対称
\(\iff\) Aは線分PQの中点
よって,
\[
a = \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{x_1 + x_2}{2}}},\qquad b = \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{y_1 + y_2}{2}}}で立式!
\]
Point 2BC 2.3.3 直線の方程式
- 点\((x_1, y_1)\)を通り,傾き\(m\)の直線の方程式 \[ \class{mathkuu}{\underline{y - y_1}} = \class{mathkuu}{\underline{m(x - x_1)}} \]
- 異なる2点\((x_1, y_1)\),\((x_2, y_2)\)を通る直線の方程式 \[ x_1 \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} x_2\ のとき,\quad \class{mathkuu}{\underline{y - y_1 = \dfrac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1}(x - x_1)}} \] \[ x_1 = x_2\ のとき,\quad \class{mathkuu}{\underline{x = x_1}} \]
- \(x\)切片が\(a\),\(y\)切片が\(b\)の直線の方程式 \[ \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{x}{a} + \dfrac{y}{b} = 1}} \]
Point 2BC 2.3.4 直線の方程式:一般形 \(ax+by+c=0\)
\(x, y\)の1次方程式 \(ax + by + c = 0\)(\(a \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\) または \(b \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\))が表す図形は,つねに直線。
- \(b \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\) のとき 傾き \(\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{a}{b}}}\), \(y\)切片 \(\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{c}{b}}}\)
- \(b = 0\) のとき \(x = \class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{c}{a}}}\) (\(\class{mathkuu}{\underline{x}}\)軸に垂直な直線)
一般形の強み \(y = mx + n\) の形は\(x\)軸に垂直な直線を表せないが,一般形ならすべての直線を表せる。直線を求める際,「傾きを\(m\)とおく」と書いた時点で\(x\)軸に垂直な場合が抜け落ちるので,場合分けを忘れないこと。
※一般形は表し方が一意でない(\(x+y-1=0\) と \(2x+2y-2=0\) など,係数比が同じであれば同じ直線)。
Point 2BC 2.3.5 2直線の位置関係
- 平面上の2直線の位置関係は,「\(\class{mathkuu}{\underline{1点}}で\class{mathkuu}{\underline{交わる}}\)」「\(\class{mathkuu}{\underline{平行}}\)」「\(\class{mathkuu}{\underline{一致}}\)する」の3つのいずれか。
これは,2直線の方程式を連立させた解と次のように対応する。
\( \begin{cases} \text{1点で交わる} \iff \class{mathkuu}{\underline{ただ1組}}\text{の解をもつ} \\ \text{平行で一致しない} \iff \text{解を}\class{mathkuu}{\underline{もたない}} \\ \text{一致する} \iff \class{mathkuu}{\underline{無数}}\text{の解をもつ} \end{cases} \) - 2直線の平行条件・垂直条件
- 2直線の方程式: \[ \left\{ \begin{array}{l} y = mx + n \\ y = m'x + n' \end{array} \right. \quad または \quad \left\{ \begin{array}{l} ax + by + c = 0 \\ a'x + b'y + c' = 0 \end{array} \right. のとき, \]
- 平行:\(\class{mathkuu}{\underline{m}} = \class{mathkuu}{\underline{m'}}\)(傾きが等しい) または, \(a : a' = \class{mathkuu}{\underline{b}} : \class{mathkuu}{\underline{b'}}\) \((\iff a : b =a' : b' )\)
- 垂直:\(\class{mathkuu}{\underline{mm'}} = \class{mathkuu}{\underline{-1}}\)(傾きの積が \(-1\)) または, \(aa' + bb' = 0\)
一般形の \(aa'+bb'=0\) ならこの場合も込みで使えるが,これはベクトルの章で法線ベクトルを学習した後でよい。
※(ベクトル既習者へ)ここでの平行・垂直は,ベクトルの平行条件(Point9.3.4)・垂直条件(Point9.3.5)と同じ話。とくに \(aa'+bb'=0\) は,2直線の法線ベクトルどうしの内積が\(0\)であることを言っている。
Point 2BC 2.3.6 平行・垂直な直線を1発で書く
点\((x_1, y_1)\)を通り,直線 \(ax + by + c = 0\) に
※原点O,A\((a,b)\)のとき,直線OAに垂直な直線OBを作るには,例えばBはAの座標を入れ替えて片方にマイナスをしたB\((b,-a)\)(\((-b,a)\)も可)を取ればよい。この感覚は持っておくと便利。
※(ベクトル既習者へ)平行の式は,\((a,\ b)\) を法線ベクトルとみた直線のベクトル方程式そのもの(Point9.6.3)。垂直の式は,\((a,\ b)\) に垂直なベクトル \((b,\ -a)\) を法線にとったもので,この作り方はPoint9.3.6にまとめている。
- 平行な直線 \(\class{mathkuu}{\underline{a(x - x_1) + b(y - y_1) = 0}}\)
- 垂直な直線 \(\class{mathkuu}{\underline{b(x - x_1) - a(y - y_1) = 0}}\)
認識 平行:元の式の係数をそのまま持ってきて,\(x \to x-x_1\),\(y \to y-y_1\)に置き換えるだけ(垂直は係数を入れかえて片方にマイナス)。①,②ともに通る点代入したら成り立つこと,傾きが適切であることを確認してみよう。
このポイントの良さは,傾きを計算して \(-1\) をかけて\(\cdots\)という手間が一切いらないし,傾きが存在しない(\(b=0\)の場合)も対応できる,が別に覚えなくても作ればよい。
※例:点\((3, -2)\)を通り \(3x - 4y + 1 = 0\) に平行な直線は \(3(x-3) - 4(y+2) = 0\),垂直な直線は \(-4(x-3) - 3(y+2) = 0\)。このポイントの良さは,傾きを計算して \(-1\) をかけて\(\cdots\)という手間が一切いらないし,傾きが存在しない(\(b=0\)の場合)も対応できる,が別に覚えなくても作ればよい。
※原点O,A\((a,b)\)のとき,直線OAに垂直な直線OBを作るには,例えばBはAの座標を入れ替えて片方にマイナスをしたB\((b,-a)\)(\((-b,a)\)も可)を取ればよい。この感覚は持っておくと便利。
※(ベクトル既習者へ)平行の式は,\((a,\ b)\) を法線ベクトルとみた直線のベクトル方程式そのもの(Point9.6.3)。垂直の式は,\((a,\ b)\) に垂直なベクトル \((b,\ -a)\) を法線にとったもので,この作り方はPoint9.3.6にまとめている。
Point 2BC 2.3.7 2直線の交点を通る直線ときたら・・・
\(f(x,\ y) = ax+by+c\),\(g(x,\ y) = a'x+b'y+c'\) とする。
2直線 \(f(x,\ y)=0\),\(g(x,\ y)=0\) が交わっているとき,2直線の交点を通る直線ときたら・・・
2直線 \(f(x,\ y)=0\),\(g(x,\ y)=0\) が交わっているとき,2直線の交点を通る直線ときたら・・・
\(\class{mathkuu}{\underline{k\,f(x,\ y) + g(x,\ y) = 0}}\) とせよ!(\(k\)は定数)
この \(k\,f(x,\ y) + g(x,\ y) = 0\) が表す図形は,\(f\)と\(g\)の共有点を通る図形を表す。これを束(そく)の原理という。
ただし,定数\(k\)をかけた側の直線 \(f(x,\ y)=0\) 自身だけは表せない。答えが \(f(x,\ y)=0\) になる可能性があるときは別扱いが必要。
※詳しい理由と例題は,EX「直線・曲線を数式で扱う」にまとめている。
ただし,定数\(k\)をかけた側の直線 \(f(x,\ y)=0\) 自身だけは表せない。答えが \(f(x,\ y)=0\) になる可能性があるときは別扱いが必要。
Point 2BC 2.3.8 線分の垂直二等分線・直線に関する対称点
線分ABの垂直二等分線ときたら・・・その直線は,
\(
\begin{cases}
\text{線分ABの}\class{mathkuu}{\underline{中点}}\text{を通る} \\
\text{直線ABと}\class{mathkuu}{\underline{垂直}}\text{に交わる}
\end{cases}
\)
直線\(\ell\)に関して点Aと対称な点Bときたら・・・ \( \begin{cases} \text{線分ABの}\class{mathkuu}{\underline{中点}}\text{が}\ \class{mathkuu}{\underline{\ell}}\ \text{上} \\ \text{直線ABと}\ \ell\ が\class{mathkuu}{\underline{垂直}} \end{cases} \) ※どちらも条件が2つ。1つでは点や直線は決まらないので,2式立てて連立するのが定石。
直線\(\ell\)に関して点Aと対称な点Bときたら・・・ \( \begin{cases} \text{線分ABの}\class{mathkuu}{\underline{中点}}\text{が}\ \class{mathkuu}{\underline{\ell}}\ \text{上} \\ \text{直線ABと}\ \ell\ が\class{mathkuu}{\underline{垂直}} \end{cases} \) ※どちらも条件が2つ。1つでは点や直線は決まらないので,2式立てて連立するのが定石。
Point 2BC 2.3.9 点と直線の距離
点\((x_1, y_1)\)と直線 \(ax + by + c = 0\) の距離\(d\)は,
\[
d = \dfrac{\class{mathkuu}{\underline{|ax_1 + by_1 + c|}}}{\class{mathkuu}{\underline{\sqrt{a^2 + b^2}}}}
\] ※これは \(a, b\) の一方が0の場合も成り立つ
※成り立ち 点Pと直線を,Pが原点に来るように平行移動する(\(x\)方向に\(-x_1\),\(y\)方向に\(-y_1\))。距離は変わらないので,あとは原点と直線の距離を求めればよく,移動後の直線 \(a(x+x_1)+b(y+y_1)+c=0\) すなわち \(ax+by+(ax_1+by_1+c)=0\) に対して,原点から下ろした垂線の足を求めればよい。
流れとしては,原点を通りこの直線に垂直な直線が,Point2.3.6を使えば \(bx-ay=0\) と一発で書ける。これと移動後の直線を連立して垂線の足Hの座標を出し,OHの長さを計算すると上の式になる。
※(ベクトル既習者へ)\((a, b)\) は直線の法線ベクトルで,この距離は正射影ベクトルの長さそのもの(Point9.3.8)。
流れとしては,原点を通りこの直線に垂直な直線が,Point2.3.6を使えば \(bx-ay=0\) と一発で書ける。これと移動後の直線を連立して垂線の足Hの座標を出し,OHの長さを計算すると上の式になる。
※(ベクトル既習者へ)\((a, b)\) は直線の法線ベクトルで,この距離は正射影ベクトルの長さそのもの(Point9.3.8)。
Point 2BC 2.3.10 三角形の面積
原点O,A\((x_1, y_1)\),B\((x_2, y_2)\)を頂点とする\(\triangle\)OABの面積\(S\)は,
\[
S = \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{1}{2}\left| x_1y_2 - x_2y_1 \right|}}
\]
1つの頂点が原点のときだけの公式。一般の3点 A, B, C の場合は,Aが原点に来るように平行移動して(=B, Cの座標からAの座標を引いて)から使う。
※「底辺\(\times\)高さ\(\div 2\)」で,底辺\(=\)OA,高さ\(=\)Bと直線OAの距離,として計算しても同じ式にたどり着く。普段は上の公式,導出せよと言われたらこちら。(ベクトルを使うと導出がとても楽。Point9.3.11)
Point 2BC 2.3.11 座標設定ときたら・・・
図形の問題を座標で処理すると決めたら・・・
\(\Longrightarrow\)賢い置き方を選べ! 具体的には,
\(\Longrightarrow\)賢い置き方を選べ! 具体的には,
- 直角のある頂点を原点に,2辺を\(x\)軸・\(y\)軸に。
- 対称な図形は,対称軸を\(y\)軸に(\(\text{B}(-c, 0)\),\(\text{C}(c, 0)\) のように置ける)。
- 線分の中点や重心を原点に。
文字は減らせるだけ減らす。\(\text{A}(a, b)\),\(\text{B}(c, d)\) と何も考えずに置くと文字4つで計算が爆発するが,うまく置けば文字2〜3個で済み,最後の式変形が劇的に楽になる。
特に「証明せよ」の問題で効果が大きい(中線定理,垂心の存在など)。
円
Point 2BC 2.4.1 円の方程式
中心\((a, b)\),半径\(r\)の円の方程式
\[
\class{mathkuu}{\underline{(x - a)^2 + (y - b)^2}} = \class{mathkuu}{\underline{r^2}}
\]
とくに,原点が中心,半径\(r\)の円の方程式
\[
\class{mathkuu}{\underline{x^2 + y^2}} = \class{mathkuu}{\underline{r^2}}
\]
※式の正体は「中心からの距離が\(r\)」。\(\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2} = r\) の両辺を2乗しただけ。
Point 2BC 2.4.2 円の一般形
方程式 \(x^2 + y^2 + \ell x + m y + n = 0\) は,\(x, y\)それぞれについて平方完成すると
\[
(x - a)^2 + (y - b)^2 = k
\]
の形に変形できる。このとき表す図形は,
- \(k > 0\) のとき 中心\((a, b)\),半径\(\class{mathkuu}{\underline{\sqrt{k}}}\) の円
- \(k = 0\) のとき 点 \((a, b)\) を表す
- \(k < 0\) のとき そのような図形は存在しない(\(\because\) (実数)\(^2 \geqq 0\))
「\(x^2\)と\(y^2\)の係数が等しく,\(xy\)の項がない」2次式を見たら,まず円を疑って平方完成。
ただし\(k>0\) の確認を忘れないこと。\(k\)に文字が含まれる問題では,「円を表すための条件」がそのまま答えの一部になることが多い。
Point 2BC 2.4.3 3点通る円ときたら・・・
3点を通る円ときたら・・・
\(x^2 + y^2 + ●x + ▲y + ★= 0\) と一般形で立式せよ!
\((x-a)^2+(y-b)^2=r^2\) と置くと,代入したとき2乗が展開されて式が複雑になり面倒。一般形なら3点の代入で\(●, ▲, ★\) についての1次の連立方程式になり,解ける。
※求めた式を最後に平方完成すれば,中心(\(=\)3点を通る三角形の外心)と半径(\(=\)外接円の半径)が読める。
※求めた式を最後に平方完成すれば,中心(\(=\)3点を通る三角形の外心)と半径(\(=\)外接円の半径)が読める。
Point 2BC 2.4.4 円と直線の位置関係ときたら・・・
円と直線の共有点の個数・位置関係ときたら・・・
\(\Longrightarrow\)まず「直線の,円の中心からの距離 \(d\)」と「半径 \(r\)」を比べよ!
※ただしこの言いかえには落とし穴がある。\(y\)を消去して\(x\)の方程式に(逆も然り)できるのは,直線の式の\(y\)に係数があり\(y\)の項が存在する,すなわち直線が\(x\)軸に垂直でないときだけ。\(x\)軸に垂直な直線(\(x=k\)型)は,交わっていても2つの共有点の\(x\)座標が同じなので,\(x\)の方程式で見ると重解のように見えてしまう。場合分けなどで対応しよう。
\(\Longrightarrow\)まず「直線の,円の中心からの距離 \(d\)」と「半径 \(r\)」を比べよ!
- (i) \(d \class{mathkuu}{<} r\) \(\iff\) 異なる2点で交わる
- (ii) \(d \class{mathkuu}{=} r\) \(\iff\) 接する
- (iii) \(d \class{mathkuu}{>} r\) \(\iff\) 共有点をもたない

中心からの距離で考えるのが原則! 円は「中心からの距離が\(r\)の点の集合」なのだから,直線が近づいているか遠いかを見るだけで決着がつく。
ここで判別式を持ち出す人が多いが,たいてい遠回り。連立して1文字消去し,2次方程式を作り,\(D\)を計算する\(\cdots\)という手順は,距離の公式1本で置き換えられる。
\(\Longrightarrow\)それでも判別式が要るのは次の場面など。
- 共有点の座標(接点)まで求めなければならない
- 円ではない曲線(放物線など)との共有点で,距離の議論が使えない
※ただしこの言いかえには落とし穴がある。\(y\)を消去して\(x\)の方程式に(逆も然り)できるのは,直線の式の\(y\)に係数があり\(y\)の項が存在する,すなわち直線が\(x\)軸に垂直でないときだけ。\(x\)軸に垂直な直線(\(x=k\)型)は,交わっていても2つの共有点の\(x\)座標が同じなので,\(x\)の方程式で見ると重解のように見えてしまう。場合分けなどで対応しよう。
Point 2BC 2.4.5 弦の長さ
弦の長さときたら・・・
全体像の通り,まずは幾何!中心から垂線! 中心から弦に下ろした垂線は弦を2等分する。「中心・弦の中点・弦の端点」で直角三角形を作れば,三平方の定理だけで出る。
全体像の通り,まずは幾何!中心から垂線! 中心から弦に下ろした垂線は弦を2等分する。「中心・弦の中点・弦の端点」で直角三角形を作れば,三平方の定理だけで出る。
覚える必要はないが,半径\(r\)の円が,中心からの距離が\(d\)である直線から切り取る線分(弦)の長さ\(\ell\)は,上の流れから
\[
\ell = 2\sqrt{r^2 - d^2}
\]
※共有点の座標を実際に求めて2点間距離を計算するのは,たいてい遠回り。
Point 2BC 2.4.6 円の接線の方程式
- 円 \(x^2 + y^2 = r^2\) 上の点\((x_1, y_1)\)における接線の方程式 \[ \class{mathkuu}{\underline{x_1x + y_1y}} = \class{mathkuu}{\underline{r^2}} \]
- ② 円 \((x-a)^2 + (y-b)^2 = r^2\) 上の点\((x_1, y_1)\)における接線の方程式 \[ \class{mathkuu}{\underline{(x_1-a)(x-a) + (y_1-b)(y-b)}} = \class{mathkuu}{\underline{r^2}} \]
認識 \(x^2 \to x_1 x\),\(y^2 \to y_1 y\) と,2つあるうちの片方を接点の座標に替えるだけ。②も同じ発想。
点\((x_1, y_1)\)が円周上にあるときに使える公式。円外の点から引く接線 \(\to\) Point2.4.7。
Point 2BC 2.4.7 円外の点から接線ときたら・・・
円の外部の点Aを通る接線ときたら・・・立式は3通り。基本は接点おけ!
- 接点を\((x_1, y_1)\)とおき,前のPointの接線公式①や②が点Aを通るとする。
\(\to\) 接点も問われているならこれ(\(x_1^2+y_1^2=r^2\) と連立)。 - 傾きを\(m\)とおいて \(y = m(x - p) + q\) とし,中心との距離 \(= r\)。
\(\to\) 接線の方程式だけでよいならこれが速い。 - 傾きを\(m\)とおき,円の式に代入して判別式 \(D = 0\)。
\(\to\) 計算量は多め。②が使えるなら②へ。
②③:相変わらずだが,「傾きを\(m\)とおく」時点で\(y\)軸に平行な接線(\(x = \)一定)が抜け落ちるので場合分けなど。①はOK。
Point 2BC 2.4.8 2円の位置関係ときたら・・・
2円の位置関係ときたら・・・
\(\Longrightarrow\)「中心と中心の距離 \(d\)」と「半径の和・差」を比べよ! 半径 \(r\),\(r'\) の2円の中心間の距離を \(d\) とすると,

※\(|r-r'|\) と絶対値を付けておけば,どちらの半径が大きいかわからなくてもそのまま使える。\(r \geqq r'\) が確定しているなら \(r - r'\) でよい。
\(\Longrightarrow\)「中心と中心の距離 \(d\)」と「半径の和・差」を比べよ! 半径 \(r\),\(r'\) の2円の中心間の距離を \(d\) とすると,
- (i) 互いに外部 \(d > \class{mathkuu}{\underline{r + r'}}\)
- (ii) 外接する \(d = \class{mathkuu}{\underline{r + r'}}\)
- (iii) 異なる2点で交わる \(\class{mathkuu}{\underline{|r - r'|}} < d < \class{mathkuu}{\underline{r + r'}}\)
- (iv) 内接する \(d = \class{mathkuu}{\underline{|r - r'|}}\)
- (v) 一方が他方の内部 \(d < \class{mathkuu}{\underline{|r - r'|}}\)
円と直線のときとまったく同じ発想。円は「中心からの距離」で決まる図形なので,中心どうしの距離と半径だけ見れば位置関係は完全に決まる。連立して判別式,は不要。交点の座標を聞かれたときもなるべくまずは幾何!で直角三角形を利用。円と直線も同様。
「2円が接する」ときたら\(\cdots\)外接と内接の2パターンあることを忘れない!
「2円が接する」ときたら\(\cdots\)外接と内接の2パターンあることを忘れない!
外接

内接
Point 2BC 2.4.9 2円の交点を通る図形ときたら・・・
\(f(x,\ y) = x^2+y^2+\ell x+my+n\),\(g(x,\ y) = x^2+y^2+\ell' x+m'y+n'\) とする。
2円 \(f(x,\ y)=0\),\(g(x,\ y)=0\) が2点で交わっているとき,2円の交点を通る図形ときたら・・・
2円 \(f(x,\ y)=0\),\(g(x,\ y)=0\) が2点で交わっているとき,2円の交点を通る図形ときたら・・・
\(\class{mathkuu}{\underline{k\,f(x,\ y) + g(x,\ y) = 0}}\) とせよ!(\(k\)は定数)
- \(k \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} -1\) のとき \(x^2, y^2\) の項が残るので,2つの交点を通る円を表す。
- \(k = -1\) のとき \(x^2, y^2\) が消えて,2つの交点を通る直線を表す。
Point 2BC 2.4.10 【発展】束の原理〜2曲線の交点を通る曲線〜
\(xy\)平面上の2曲線
\[C : f(x,\ y)=0,\qquad D : g(x,\ y)=0\]
が共有点をもつとき,\(k,\ l\)を実数として
\[E : \class{mathkuu}{\underline{k\cdot f(x,\ y)+l\cdot g(x,\ y)=0}}\]
で表される図形\(E\)は,\(C\)と\(D\)のすべての共有点を通る。
実際には,
\[E : \class{mathkuu}{\underline{k\cdot f(x,\ y)+g(x,\ y)=0}}\]
と,\(l=1\)とした形で事足りることが多く,そう習うことが多い。違いは,この簡略化した式では
\[\class{mathkuu}{\underline{f(x,\ y)=0}}\ という図形を表せない\]
ことである。
※詳しい理由(なぜ束の原理が成り立つのか,係数を\(1\)としてよい場合)と例題は,EX「直線・曲線を数式で扱う」にまとめている。
軌跡と領域
軌跡とは\(\cdots\)条件を満たす点の集合Point 2BC 2.5.1 【重要】基本的な軌跡のまとめ
- 定点Cから一定の距離\(r\)にある点の軌跡は,点Cを中心とする半径\(r\)の円。
- 定直線\(\ell\)への距離が一定の値\(h\)である点の軌跡は,\(\ell\)から\(h\)の距離にある2直線。
- 2定点A, Bから等距離にある点の軌跡は,線分ABの垂直二等分線。
- 定角\(\angle\)AOBの内部にあり,角の2辺への距離が等しい点の軌跡は,\(\angle\)AOBの2等分線。
- 線分ABに対して,\(\angle \text{APB} = 90^\circ\) である点Pの軌跡は,線分ABを\(\class{mathkuu}{\underline{直径}}\)とする円(ただし,2点A, Bを除く)。
- 2定点A, Bからの距離の比が \(m:n\)(\(m \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} n\))である点の軌跡は,線分ABを\(m:n\)に\(\class{mathkuu}{\underline{内分}}\)する点と\(\class{mathkuu}{\underline{外分}}\)する点を\(\class{mathkuu}{\underline{直径の両端}}\)とする円。 ※アポロニウスの円という。※\(m = n\) のときは,③へ
⑥ 2定点からの距離の比ときたら・・・ \(\text{AP} : \text{BP} = m : n\) が出たら,そのまま座標を代入しても2点間の距離のルートが残って扱えない。
→ \(n\text{AP} = m\text{BP}\) とし,両辺を2乗して \(n^2\text{AP}^2 = m^2\text{BP}^2\) に直してから座標を代入せよ!
(両辺とも\(0\)以上なので,2乗しても同値。ここは安心して2乗してよい場面)
※なぜ円になるのか \(\text{A}(0,0)\),\(\text{B}(a,0)\) とおいて実際に計算すると見える。\(n^2\{x^2+y^2\}=m^2\{(x-a)^2+y^2\}\) を整理すると,\(m \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} n\) なので\(x^2+y^2\) の項が消えずに残り,平方完成して円の式になる。図をかくときは,先に内分点と外分点の2点をとってから円をかくと速い。
→ \(n\text{AP} = m\text{BP}\) とし,両辺を2乗して \(n^2\text{AP}^2 = m^2\text{BP}^2\) に直してから座標を代入せよ!
(両辺とも\(0\)以上なので,2乗しても同値。ここは安心して2乗してよい場面)
※なぜ円になるのか \(\text{A}(0,0)\),\(\text{B}(a,0)\) とおいて実際に計算すると見える。\(n^2\{x^2+y^2\}=m^2\{(x-a)^2+y^2\}\) を整理すると,\(m \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} n\) なので\(x^2+y^2\) の項が消えずに残り,平方完成して円の式になる。図をかくときは,先に内分点と外分点の2点をとってから円をかくと速い。
Point 2BC 2.5.2 軌跡と領域の基本的な解き方
軌跡と領域の問題ときたら\(\cdots\)
まずは幾何的に考える!
→無理なら代数的に解く 代数による解法の順序は, 1. 求める軌跡上の点を\((X,\ Y)\)とおく。 2. 条件を数式化する。 3. \(X\)と\(Y\)だけの関係式を導く(範囲も確認忘れず)。
まずは幾何的に考える!
→無理なら代数的に解く 代数による解法の順序は, 1. 求める軌跡上の点を\((X,\ Y)\)とおく。 2. 条件を数式化する。 3. \(X\)と\(Y\)だけの関係式を導く(範囲も確認忘れず)。
最後に「逆」の確認を! 手順3で出た図形\(C\)は,あくまで「条件を満たす点は\(C\)上にある」を示しただけ。\(C\)上のすべての点が条件を満たすとは限らない(除外点が生じることがある)。
→ 「逆に,\(C\)上の任意の点は条件を満たす」を確認して初めて答えが確定する。
※同値であることが明示されており,計算を逆にたどれば明らかな場合は,答案では省略されることも多い。ただし特に除外点が出るタイプかつ同値記号を正しく用いた除外点の明示できていない場合は必ず書くこと。正しく処理できる人を除いて,同値記号の乱用はおすすめしない。詳細はEX「同値」へ。
→ 「逆に,\(C\)上の任意の点は条件を満たす」を確認して初めて答えが確定する。
※同値であることが明示されており,計算を逆にたどれば明らかな場合は,答案では省略されることも多い。ただし特に除外点が出るタイプかつ同値記号を正しく用いた除外点の明示できていない場合は必ず書くこと。正しく処理できる人を除いて,同値記号の乱用はおすすめしない。詳細はEX「同値」へ。
Point 2BC 2.5.3 不等式の表す領域
- 直線で分けられる領域
不等式 \(y > mx + n\) の表す領域は,直線 \(y = mx + n\) の上側(上 or 下)
不等式 \(y < mx + n\) の表す領域は,直線 \(y = mx + n\) の下側(上 or 下) - 円周で分けられる領域
不等式 \((x - a)^2 + (y - b)^2 < r^2\) の表す領域は,円 \((x - a)^2 + (y - b)^2 = r^2\) の内部
不等式 \((x - a)^2 + (y - b)^2 > r^2\) の表す領域は,円 \((x - a)^2 + (y - b)^2 = r^2\) の外部
Point 2BC 2.5.4 正領域・負領域
- \(f(x, y) > 0\) や \(f(x, y) \leqq 0\) などの不等式を満たす点 \((x, y)\) 全体の集合を、この不等式の表す領域という。
- 不等式 \(f(x, y) > 0\) の表す領域を正領域、 不等式 \(f(x, y) < 0\) の表す領域を負領域、 方程式 \(f(x, y) = 0\) の表す曲線を境界線という。
- 【これが便利】正領域と負領域は境界線を越えると符号が入れかわる。つまり交互に現れる!
※これを利用することで,例えば\((y - 1)(y - 3x)(x^2 + y^2 - 9) > 0\)などの領域を塗る際,境界線の方程式(2直線と円)を描いて,(1,0)などどこか1点だけ元の式に代入すると左辺の値は-24となり負領域であるから,(1,0)が含まれるところは求める領域(正領域)外,となりは領域内,となりは領域外・・・とどんどん求める領域が分かっていく。
Point 2BC 2.5.5 領域を使う最大最小(2変数関数の最大最小)
図示できる2変数関数の最大最小ときたら\(\cdots\)
→\(=k\)とおいて,領域と共有点をもつ\(k\)の範囲を調べよ! ※主に(1次式)=kとおくものを線形計画法といい,逆像法の一種。
※\(2\)変数関数の最大最小の全体像(消去・置換・逆像法・予選決勝法など)と例題は,EX「最大最小」にまとめている。
→\(=k\)とおいて,領域と共有点をもつ\(k\)の範囲を調べよ! ※主に(1次式)=kとおくものを線形計画法といい,逆像法の一種。
※\(2\)変数関数の最大最小の全体像(消去・置換・逆像法・予選決勝法など)と例題は,EX「最大最小」にまとめている。
Point 2BC 2.5.6 領域を利用した証明法
「すべて図示できる, \(p \Longrightarrow q\) を示せ」ときたら・・・
→領域の包含関係に読みかえよ! 条件\(p\)を満たす点全体の集合を\(P\),条件\(q\)を満たす点全体の集合を\(Q\)とすると, \[ \text{「}p \Longrightarrow q\text{ が真」} \iff \class{mathkuu}{\underline{P \subset Q}} \]
→領域の包含関係に読みかえよ! 条件\(p\)を満たす点全体の集合を\(P\),条件\(q\)を満たす点全体の集合を\(Q\)とすると, \[ \text{「}p \Longrightarrow q\text{ が真」} \iff \class{mathkuu}{\underline{P \subset Q}} \]
つまり,\(P\)と\(Q\)をそれぞれ図示して,\(P\)がすっぽり\(Q\)に入っていることを示せばよい。図をかくだけで決着するのが強み。「\(x^2+y^2<1\) ならば \(x+y<\sqrt{2}\)」のような,円と直線など図示できる不等式で特に有効。
※これは数学Ⅰの命題と集合の話そのもの(高校数学の俯瞰 ⅠA「命題と条件,条件と集合」)。「\(p \Longrightarrow q\) が真」\(\iff\)「\(P \subset Q\)」という対応を,\(x, y\)の不等式の場面で使っているだけ。「ならばならばは,内から外へ」(高校数学の俯瞰 ⅠA)も同じことを言っている。
Point 2BC 2.5.7 曲線で分けられる領域
直線に限らず,一般の曲線 \(y = f(x)\) についても同じことが成り立つ。
- 不等式 \(y > f(x)\) の表す領域は,曲線 \(y = f(x)\) の上側
- 不等式 \(y < f(x)\) の表す領域は,曲線 \(y = f(x)\) の下側
与えられた不等式を\(y > (x\text{の式})\) の形に整理できれば,あとは境界の曲線をかいて上か下かを決める。
\(y\)について解けない形(\(x^2+y^2<1\) など)は,図形の意味で読むか,Point2.5.4の正領域・負領域で処理する。
\(y\)について解けない形(\(x^2+y^2<1\) など)は,図形の意味で読むか,Point2.5.4の正領域・負領域で処理する。
分野横断 〜EXへの入口〜
図形と方程式の章は,教科書レベルの問題と,入試問題のギャップが特に大きい。関数の最大最小の解法の中で使われたり,最大最小で学ぶ逆像法という考え方が予選決勝法や通過領域にも関連してくる。他分野でも同じ発想を使うものとしてここでは深入りしないこととする。練度が高くなり,網羅型の問題集や入試問題の基礎に取り組めるようになった方は詳しい解法と例題をまとめているので, EX へ。Point 2BC 2.6.1 通過領域・順像法と逆像法
パラメータを含む直線や曲線が動いてできる領域ときたら\(\cdots\)
→(求める答えの領域内の点\((x,\ y)\)などとおき,)そのパラメータが存在する条件に読みかえよ!
パラメータである\(a\)や\(t\)などが,定義された範囲で実数解をもつこと,で解けることが多い。パラメータの2次方程式に持ち込んで判別式(・軸・端点)と解の配置問題に帰着することが多い。 ※順像法と逆像法の考え方の違い,通過領域の解法と例題は,EX「最大最小」や「軌跡と領域」にまとめている。
→(求める答えの領域内の点\((x,\ y)\)などとおき,)そのパラメータが存在する条件に読みかえよ!
パラメータである\(a\)や\(t\)などが,定義された範囲で実数解をもつこと,で解けることが多い。パラメータの2次方程式に持ち込んで判別式(・軸・端点)と解の配置問題に帰着することが多い。 ※順像法と逆像法の考え方の違い,通過領域の解法と例題は,EX「最大最小」や「軌跡と領域」にまとめている。
Point 2BC 2.6.2 式変形で同値性が崩れる場面
軌跡や領域の問題では,条件を式に翻訳して変形する場面が続く。このとき式変形の前後で条件が同じ範囲を表しているかを意識しないと,答えに余計な点が混ざったり,逆に必要な点が抜け落ちたりする。これを最後に逆の確認を行うことで防いでいる。難しいが,同値変形が正しく行われているのであれば確認の必要はない。 特に注意したいのは次の場面。
- 両辺を2乗する \(\cdots\) 符号の情報が消える
- 分母をはらう\(\cdots\) 分母が\(0\)の場合が紛れ込む
- 代入して文字消去 \(\cdots\) 代入元の式を残さないと条件が減る
- 文字を置き換える\(\cdots\) 新しい文字の範囲チェックが要る
この章の振り返り
いかがでしたでしょうか。図形と方程式は,図形の問題を座標という道具で処理することを学ぶ章でした。冒頭に「図形問題ときたら」という全体像を置いたのは,座標が図形問題を解く唯一の手段ではないからです。幾何,座標,ベクトル,複素数平面という4つの解法があって,そのうちの2つ目を扱ったのがこの章だった,という位置づけを忘れないでください。まずは初等幾何で見通しが立たないかを考え,立たないときに座標を持ち出す。この順番を踏まないと,本来なら相似ひとつで終わる問題を,延々と計算して解くことになってしまいます。前半の「点と直線」では,2点間の距離,内分点と外分点,直線の方程式といった土台を確認しました。ここで意識してほしかったのは,一般形\(ax+by+c=0\) の扱いです。\(y=mx+n\) という書き方は便利ですが,\(x\)軸に垂直な直線を表せません。ですから「傾きを\(m\)とおく」と書いた瞬間に,その場合が答えから抜け落ちます。この章では,2直線の垂直条件,円の接線,判別式による共有点の議論と,同じ落とし穴が形を変えて何度も出てきました。答えの本数が足りない,という違和感を覚えたら,まずここを疑う習慣をつけてください。
「点と直線の距離」の公式は,分子が直線の式に座標を代入した値,分母が係数の大きさでした。この形をただ暗記するのではなく,なぜ分母で割る必要があるのかまで押さえておくと,ベクトルを学んだあとに正射影ベクトルとつながります。分野をまたいで同じものが顔を出す,という経験を積むほど,数学は覚えることが減っていきます。
「円」の節でいちばん伝えたかったのは,円は距離で決まる図形だということです。円と直線の位置関係も,2円の位置関係も,中心からの距離と半径を比べるだけで決着します。ここで反射的に連立して判別式を計算しはじめる人がとても多いのですが,たいていは遠回りです。判別式が必要になるのは,接点の座標まで求めなければならないときと,相手が円ではない曲線のときだけでした。どちらの道具を使うかを最初に選ぶ,という一手が,計算量を大きく変えます。
弦の長さも同じ発想でした。中心から弦に垂線を下ろせば,半径と中心からの距離と弦の半分で直角三角形ができます。共有点の座標を実際に求めて距離を計算する必要はありません。図形の問題を座標に持ち込んだあとでも,要所で幾何の目を使うと計算が一気に軽くなる,という good example です。
束の原理は,直線でも円でも,さらに一般の2曲線でも同じ形をしていました。\(k\,f(x,\ y)+g(x,\ y)=0\) とおけば,交点を求めずに交点を通る図形が書ける。特に2円の場合に\(k=-1\)とすると2次の項が消えて,交点を通る直線が一瞬で出てくるのは,知っているかどうかで差がつくところです。ただし\(k\)をかけた側の図形自身だけは表せない,という但し書きも忘れないでください。
後半の「軌跡と領域」は,条件を式に翻訳する練習でした。軌跡の問題は,求める点を\((X,\ Y)\)とおいて,条件を数式にして,\(X\)と\(Y\)だけの関係式に落とす,という流れが決まっています。最後に逆の確認をするのは,式変形の途中で条件が広がったり狭まったりしていないかを保証するためでした。両辺を2乗する,分母をはらう,代入して文字を消す。どれも便利ですが,同値性が崩れやすい操作です。答えに余計な点が混ざる,必要な点が抜ける,という事故はここから起きます。
領域については,不等式が表す図形を素直に読むことと,正領域・負領域で符号が交互に現れる性質を使うこと,この2つを押さえてもらいました。そして領域を使う最大最小,領域を利用した証明法は,どちらも代数の問題を図に持ち込んで解くという発想です。「\(p\) ならば \(q\)」の証明が包含関係の図示で終わってしまうのは,数学Ⅰで学んだ命題と集合の話が,そのまま座標平面の上で動いているからでした。
最後の分野横断の節に置いたものは,この章だけの話ではありません。順像法と逆像法,通過領域,不等式の成立条件,同値変形。いずれも最大最小や関数の問題でも同じ発想を使います。この章では方針の一言だけを置いて,詳しい解法と例題は EX にまとめる形にしました。定期考査や模試の前はこの本体で単元ごとの土台を確認し,入試問題の演習に踏み出す段階になったら EX を開く。そういう使い分けをしてもらえればと思います。
座標は,図が読めなくても計算だけで押し切れる強い道具です。その代わり,計算量は多くなりがちです。だからこそ,座標の取り方を工夫して文字を減らす,距離で考えて判別式を避ける,束の原理で交点を求めずに済ませる,といった一つひとつの選択が効いてきます。公式を覚えることよりも,どの道具をいつ使うかを選べるようになること。それがこの章のいちばんの目標でした。