1A 第7章

7. 確率

確率の全体像

\[\boldsymbol{確率は・・・「\class{mathkuu}{\underline{同じものはまず区別!!}}」}\] そして,状況把握がすべて。書き出したり小さな数字で実験をし,問題の状況を掴む!
また,場合の数同様・・・どの式をどう立てるかを意識!
どの式・・・

有名な題材・式は以下の3種
Point 1A 7.1.1 ①サイコロ・コイン型
サイコロ・コインを\(n\)回繰り返し投げたり,\(n\)個を一度に投げたりする問題では以下の2つの式がよく利用される。問題に応じて扱いやすい式を選ぶ。
i) 反復試行:\(:{ }_n C_r \cdot p^r \cdot(1-p)^{n-r}\)
ii) 重複順列の比で求める:\(\frac{\text { 求める場合の数 }}{6^n},\frac{\text { 求める場合の数 }}{2^n}\)
Point 1A 7.1.2 ②玉・くじ・カード型
箱や袋に入った玉・くじ・カードを取り出す問題では,取り出したものをどう処理するのかで立式が異なる。
I) 元に戻す型(復元抽出)・・・サイコロ・コインと同じくi) 反復試行 or ii) 重複順列

II) 元に戻さない型・・・

 i) 順序あり(非復元抽出)\(\longrightarrow\)順列\((\ { }_n P_r など\ )\)

 ii) 順序なし(同時抽出)\(\longrightarrow\)組合せ\((\ { }_n C_r など\ )\)

※上記以外のパターンは都度状況を把握してどの立式か考える。
Point 1A 7.1.3 ③ジャンケン型
ジャンケンの立式は, 重複順列の比で求める: \(\dfrac{{ }_n C_k \cdot{ }_3 C_1}{3^{\text {人数 }}}\)

・全事象は\(3^{\text {人数 }}\)で考える!

・勝敗が決まる手の出し方は,『誰が』『どの手を』出して勝ったか決める!

- あいこは, 余事象で考えるとよい!-

・勝敗が決まる確率の余事象で求める!

・手の出し方の種類数の余事象で求める!
どう立てる・・・
① 直接求める,② 全体から引く(余事象),③ 漸化式立てる \[1つのサイコロを繰り返しn回投げるとき,積が3の倍数になる確率は?\] ① 直接求める

事象\(A,B\)を以下のように定義する。
  \(A\):3 or 6 の目が出る
  \(B\):それ以外の目が出る
積が3の倍数になるには,\(n\)回中,\(A\)が1回以上出ればいいので, \[ _{n}C_{1}\left(\dfrac{2}{6}\right)^1\left(\dfrac{4}{6}\right)^{n-1} + _{n}C_{2}\left(\dfrac{2}{6}\right)^2\left(\dfrac{4}{6}\right)^{n-2} + \cdots + _{n}C_{n-1}\left(\dfrac{2}{6}\right)^{n-1}\left(\dfrac{4}{6}\right) + _{n}C_{n}\left(\dfrac{2}{6}\right)^n \] \[=\left( \dfrac{2}{6}+\dfrac{4}{6}\right) ^n-_nC_0\left( {\dfrac{4}{6}}\right) = 1 - \left(\dfrac{2}{3}\right)^n\]


なお,途中で二項定理の逆を用いた。毎回の成功確率が一定で,成功か失敗かなど2状態の反復試行はこの形になる。反復試行の時点で意識しておこう。

② (方法2)余事象を利用する

積が3の倍数にならないのは,\(n\)回中,\(B\)が\(n\)回出る時なので, \[ 1 - \left(\dfrac{4}{6}\right)^n = 1 - \left(\dfrac{2}{3}\right)^n \]

③ (方法3)漸化式を立てる
\(n\)回投げて,出た目の積が3の倍数になる確率を\(p_n\)とおく。  \(p_1 = \dfrac{1}{3}\)
\(n\)回投げて,積が3の倍数なら,\((n+1)\)回目に何が出ても積が3の倍数になる。
\(n\)回投げて,積が3の倍数でないなら,\((n+1)\)回目に,3 or 6 が出ればよいので, \[ p_{n+1} = p_n + \dfrac{1}{3}(1 - p_n) \quad \Longleftrightarrow \quad p_{n+1} = \dfrac{2}{3}p_n + \dfrac{1}{3} \quad \Longleftrightarrow \quad p_{n+1} -1= \dfrac{2}{3}(p_n - 1) \] よって,  \(p_n = 1 - \left(\dfrac{2}{3}\right)^n\)
\[\boldsymbol{n絡みの確率は漸化式を発想の一つに持っておこう!}\]
Point 1A 7.1.4 「同じものはまず区別!!」  〜 区別しなかったら・・・? 〜
まずは確率問題の大前提,同じものもまず区別する。区別しなくても解けることはあるが,区別しないと,数えている並びの出やすさが等しくならないことがある。例で確かめてみよう。
例:袋に赤玉\(4\)個,白玉\(3\)個,青玉\(2\)個の計\(9\)個が入っている。同時に\(3\)個取り出すとき,\(3\)色がそろう確率は?
【同じものを区別しない】

色の組合せだけを考えると,\((\text{赤},\text{赤},\text{赤})\),\((\text{赤},\text{赤},\text{白})\),\(\cdots\),\((\text{赤},\text{白},\text{青})\)の\(9\)通りで,\(3\)色そろうのは\(1\)通り。よって\(\dfrac{1}{9}\)としてしまう。

→間違い。理由は,この\(9\)通りの出やすさが等しくないから(「同様に確からしい」といえない)。

たとえば\((\text{赤},\text{白},\text{青})\)は,赤\(4\)個から\(1\)個,白\(3\)個から\(1\)個,青\(2\)個から\(1\)個の選び方で\(4\times 3\times 2=24\)通りあるが,\((\text{赤},\text{赤},\text{赤})\)は\({}_4\mathrm{C}_3=4\)通りしかない。要は,色の組合せごとに"重み"が違う。

【同じものを区別する】

\(9\)個の玉をすべて別のものとみなす。全事象は,\(9\)個から\(3\)個を選ぶ\({}_9\mathrm{C}_3=84\)通りで,どれも同様に確からしい。

\(3\)色そろうのは,赤\(4\)個・白\(3\)個・青\(2\)個から\(1\)個ずつ選ぶ\(4\times 3\times 2=24\)通り。よって \[ \dfrac{24}{84}=\dfrac{2}{7} \] こういった"重みの違い"を避けるため,確率ではすべてを区別してスタートしよう!
Point 1A 7.1.5 ①サイコロ・コイン型
サイコロ・コインを\(n\)回繰り返し投げたり,\(n\)個を一度に投げたりする問題では以下の2つの式がよく利用される。問題に応じて扱いやすい式を選ぶ。
i) 反復試行:\(:{ }_n C_r \cdot p^r \cdot(1-p)^{n-r}\)
ii) 重複順列の比で求める:\(\frac{\text { 求める場合の数 }}{6^n}\),\(\frac{\text { 求める場合の数 }}{2^n}\)
サイコロを3回投げるとき,目の和が4になる確率は?
i) (方法1) 各回の試行は独立であり,
2の目が1回,1の目が2回出ればよく, \[ \class{mathkuu}{\underline{_{3}C_{1} \left( \dfrac{1}{6} \right)^1 \left( \dfrac{1}{6} \right)^2}} = \dfrac{3}{216} = \dfrac{1}{72} \] ※公式のように\(p^r \cdot({\color{red}{1-p}})^{n-r}\)となるのは,成功か失敗かなど,合計確率1のとき。

そうでなくてもこの問題のように同様な計算ができる。
ii) (方法2) 各回サイコロの出た目を 000 と書くと,
全事象は ①~⑥ の数字をBOXの中に重複を許して並べる順列の総数で, \[ \class{mathkuu}{\underline{6^3}} \] となり,これらは同様に確からしい。(全部 \(\dfrac{1}{6} \times \dfrac{1}{6} \times \dfrac{1}{6}\))

求めるのは,

\(\class{mathkuu}{\underline{2}}\)\(\class{mathkuu}{\underline{1}}\)\(\class{mathkuu}{\underline{1}}\) ,\(\class{mathkuu}{\underline{1}}\)\(\class{mathkuu}{\underline{2}}\)\(\class{mathkuu}{\underline{1}}\) ,\(\class{mathkuu}{\underline{1}}\)\(\class{mathkuu}{\underline{1}}\)\(\class{mathkuu}{\underline{2}}\) の3通りである。

よって,求める確率は, \[ \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{3}{6^3}}} = \dfrac{1}{72} \] \[問題に応じて,扱いやすい方を選ぼう!\]
Point 1A 7.1.6 ②玉・くじ・カード型
箱や袋に入った玉・くじ・カードを取り出す問題では,取り出したものをどう処理するのかで立式が異なる。
I) 元に戻す型(復元抽出)・・・

サイコロ・コインと同じく,i) 反復試行 or ii) 重複順列

II) 元に戻さない型・・・

 i) 順序あり(非復元抽出)\(\longrightarrow\)順列\((\class{mathkuu}{\underline{_n P_r}} など\ )\)

 ii) 順序なし(同時抽出)\(\longrightarrow\)組合せ\((\class{mathkuu}{\underline{_n C_r}} など\ )\)

※上記以外のパターンは都度状況を把握してどの立式か考える。
Point 1A 7.1.7 ③ジャンケン型
ジャンケンの立式は, 重複順列の比で求める: \(\dfrac{{ }_n C_k \cdot{ }_3 C_1}{3^{\text {人数 }}}\)

・全事象は\(3^{\text {人数 }}\)で考える!

・勝敗が決まる手の出し方は,『誰が』『どの手を』出して勝ったか決める!

★あいこは, 余事象で考えるとよい!★

・勝敗が決まる確率の余事象で求める!

・手の出し方の種類数の余事象で求める!
(1) \(n\)人でじゃんけんを1回したとき,3人が勝つ確率を求めよ。(\(n\)は3以上の自然数とする。)

(2) \(n\)人でじゃんけんを1回したとき,あいこになる確率を求めよ。
(1) 3人勝つ手の出し方は,
『誰が?』 Aさん,Dさん,Fさんなど,\(n\)人から3人選べばよく \({}_nC_3\) 通りである。
『どの手で?』 グー・チョキ・パーのどれかなので \({}_3C_1\) 通りある。
\[ よって,\dfrac{{}_nC_3 \cdot {}_3C_1}{3^n}\text{ 通りとなる。} \] 勝敗が決まる人数ごとの確率の余事象で求める!

(1) と同様に,

1人勝つ確率:  \(\dfrac{nC_1 \cdot _3C_1}{3^n} = \dfrac{_nC_1}{3^{n-1}}\)

2人勝つ確率:  \(\dfrac{nC_2 \cdot _3C_2}{3^n} = \dfrac{_nC_2}{3^{n-1}}\)・・・

(\(n - 1\)人勝つ確率)  \(= \dfrac{_nC_{n-1} \cdot _3C_1}{3^n} = \dfrac{_nC_{n-1}}{3^{n-1}}\)

なので,(あいこになる確率) \[ = 1 - \dfrac{_nC_1 + _nC_2 + \cdots + _nC_{n-1}}{3^{n-1}} \]
\[ = \dfrac{3^{n-1}-2^n + 2}{3^{n-1}} \left( = 1 - 2\left( \dfrac{2}{3} \right)^{n-1} + \dfrac{2}{3^{n-1}}\right) \] \(\because \text{2項定理から,}\)

\( (1+1)^n=_nC_0 + _nC_1 + \cdots + _nC_{n-1} + _nC_n\)

\(\Rightarrow\ _nC_1 + \cdots + _nC_{n-1} = 2^n - _nC_0 - _nC_n\)

この方法は少し大変なので,次の発想も持ちたい。

手の出し方の種類の余事象で求める!

\(n\)人でジャンケンしてあいこになるのは,
手の出し方が,1種類 または 3種類 のとき。
その余事象は,2種類 のときである。
したがって,どの2種類かを選ぶのが,\({}_3C_2\)通り,
\(n\)人の手の出し方は,\(n\)人とも同じ手を除いて,\(2^n - 2\)通り。よって, \[ 1 - \dfrac{3 \cdot {}_nC_2 (2^n - 2)}{3^n} = \dfrac{3^n - 3 \cdot 2^n + 6}{3^n} \] \[\left( = 1 - 3 \left( \dfrac{2}{3} \right)^n + \dfrac{2}{3^{n-1}}\right)\]
Point 1A 7.1.8 条件付き確率
全事象\(\mathrm{U}\)は同様に確からしい\(a\)通りの要素からなるものとする。その部分集合\(\mathrm{A}\),\(\mathrm{B}\)について,「事象\(\mathrm{A}\)が起こったときに事象\(\mathrm{B}\)が起こる確率」を,「事象\(\mathrm{A}\)が起こったときの事象\(\mathrm{B}\)の起こる条件付き確率」といい,\(P_A(B)\)で表し,下のように定義する。
\[P_A(B)=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{n(A\cap B)}{n(A)}}}\] また,この分母分子をa通り(全通り)の要素で割ると,下の式が得られる。 \[P_A(B)=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{P(A\cap B)}{P(A)}}},またはP(A\cap B)=\class{mathkuu}{\underline{P(A)P_A(B)}}\]
カルノー図
カルノー図で考えるとわかりやすい。
Point 1A 7.1.9 原因の確率
\(A\)という事象のあとに\(B\)という事象が起こったとする。\(B\)という結果が得られた時,\(A\)という事象が起こっていた確率は?というのが原因の確率(\(P_B(A)\))である。条件付き確率と時間的順序が逆になるため考えづらいが,条件付き確率の定義を用いて考えるとよい。 \[P_B(A)=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{n(B\cap A)}{n(B)}}}=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{P(B\cap A)}{P(B)}}}\] ※時間的順序がややこしいのは\(B\cap A\)の部分であるが,\(B\cap A=A\cap B\)によって,時間の流れのややこしさから逃れられる。
Point 1A 7.1.10 確率漸化式
(最初または最後の状態で場合分けをして)\(n番目とn+1番目などの\)推移図をかけ!

→漸化式立式して,解く!
Point 1A 7.1.11 期待値
期待値は,確率分布表で求めるとよい!
\(値\) \(x_1\) \(x_2\) \(\cdots\) \(x_n\)
確率 \(p_1\) \(p_2\) \(\cdots\) \(p_n\)
\(期待値 E=\class{mathkuu}{\underline{x_1p_1+x_2p_2+\cdots x_np_n}}\)
Point 1A 7.1.12 確率(離散関数)の最大最小
確率\(P_n\)など,離散関数の最大最小ときたら・・・
・\(\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{P_{n+1}}{P_n}}}\gtreqqless 1\)や\(P_{n+1}-P_n\gtreqqless 0\)(隣の項とどちらが大きいか分かる)
を調べて,大小書き並べる。 \[\mathrm{例えば,}\qquad P_1< P_2<\cdots\cdots <P_{21}<P_{22}=P_{23}>P_{24}> \cdots\cdots >P_{n-1}>P_n\] となれば,\(P_{22}とP_{23}\)が確率の最大値。

【発展】

・(\(P_n\)を変数が自然数の離散関数とみて,)定義域を実数全体に拡張し,関数の最大最小とみる!

→\(y=f(x)\)として(必要であれば微分して)グラフを考えたり,逆像法など関数の最大最小処理