1A 第6章

6. 場合の数

場合の数の全体像

場合の数の全体像
これらが同時に起こるので,単純計算\(3\cdot 7\cdot 7=147\)パターンもあるから場合の数は発想が大変と言われるのだろう

基本方針と基本公式

Point 1A 6.2.1 3つの基本的方針
①直接求める,②全体から引く(余事象),③漸化式立てる

例題を,3パターンで解いてみる。

例:A, Bを重複を許して5個並べた順列で,Bが連続しない並べ方は何通りか。(Aだけも可)
  1. \(直接求める\)

    Aを\(5\)個:A\(^5\)のみで,1通り
    A\(4\)個B\(1\)個:Bの位置で5通り
    A\(3\)個B\(2\)個:先にA3個おいて間4個にB
    → \(_{4}C_{2}\) 通り
    A\(2\)個B\(3\)個:BABABのみ。1通り。
    B\(4\)個以上:不適
    よって,計13通り。
  2. \(全体から引く(余事象)\)

    制限無しなら,A,Bを5個→\(2^5\)(重複順列)

    BBを1セットでCとして,C○○○:\(2^3\)

    ○C○○:Cの左はAより,\(2^2\)

    ○○C○:Cの左はAより,\(2^2\)

    ○○○C:Cの左はAより,\(2^2\)

    →BBABBのみ除いて,3

    以上より,\(32-8-4-4-3=13\)通り。
  3. \(漸化式を立てる\)

    \(n\)個の順列で求める場合の数を\(a_n\)とする。「初手で場合分け」はじめの文字が,

    Aのとき:\(a_4\)通り,Bのとき:\(a_3通り\)

    このように,\(a_{n+2}=a_{n+1}+a_n\)の関係性が成り立ち,

    \(a_{5}=a_{4}+a_3=(a_{3}+a_2)+a_3=\cdots\)

    \(=3a_2+2a_1=13.\ (\because a_2=3,\ a_1=2)\)
Point 1A 6.2.2 すべて用いて並べる(順列)
異なる\(n\)個を全部使って1列に並べる方法は \[ \class{mathkuu}{\underline{n!}}=n(n-1)(n-2)\cdots 3\cdot 2\cdot 1 \qquad(\text{ただし }0!=1) \] ・左から順に「\(n\)通り,\(n-1\)通り,\(\dots\)」と決めていくだけ(積の法則)。 例題:\(6\)人を1列に並べる方法は? \(\to\) \(6!=\class{mathkuu}{\underline{720}}\) 通り
Point 1A 6.2.3 選んで並べる(順列 \(_n\mathrm{P}_r\))
異なる\(n\)個から\(r\)個取り出して並べる方法は \[ _n\mathrm{P}_r=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{n!}{(n-r)!}}}=\underbrace{n(n-1)\cdots(n-r+1)}_{r\ \text{個の因数}} \] ・\(_n\mathrm{P}_n=n!\),\(_n\mathrm{P}_0=1\)。「並べる」=順序を区別する。 例題:\(8\)人から\(3\)人を選んで,部長・副部長・会計に任命する方法は?

\(\to\) 役職が違うので順序を区別する。\(_8\mathrm{P}_3=8\cdot7\cdot6=\class{mathkuu}{\underline{336}}\) 通り
Point 1A 6.2.4 重複を許して並べる(重複順列)
\(n\)種類から重複を許して\(r\)個並べる方法は \[ \class{mathkuu}{\underline{n^r}} \] ・「\(r\)個の場所それぞれに,\(n\)通りの入れ方」と読む。\(n\)と\(r\)を取り違えやすいので,  どちらが「場所」かを確かめておこう。 例題:\(4\)人がそれぞれ\(3\)つの部屋のどれかに入る方法は?

\(\to\) 場所は「\(4\)人」,選択肢は「\(3\)部屋」。\(3^4=\class{mathkuu}{\underline{81}}\) 通り
Point 1A 6.2.5 同じものを含む順列
\(n\)個のうち同じものがそれぞれ\(p\)個,\(q\)個,\(r\)個\(\dots\)(\(p+q+r+\cdots=n\))あるとき, 並べ方は \[ \class{mathkuu}{\underline{\dfrac{n!}{p!\,q!\,r!\cdots}}} \] 考え方は2通り。②の見方は,ほかの問題にも使いやすい。
  1. 全部区別して\(n!\)通り並べ,同じもの同士の入れ替え\(\class{mathkuu}{\underline{p!\,q!\,r!\cdots}}\)通りで割る(数え上げ⑥の「重複度で割る」)。
  2. 「\(n\)個の席のうち,どこに同じもの\(p\)個を置くか」と場所を選ぶと見て \(_n\mathrm{C}_p\times{}_{n-p}\mathrm{C}_q\times\cdots\)
例題:SUUGAKU の\(7\)文字を並べる方法は?

\(\to\) U が\(3\)個。\(\dfrac{7!}{3!}=\class{mathkuu}{\underline{840}}\) 通り
Point 1A 6.2.6 円順列
円形に並べて,回転して重なるものは同じとみなす並べ方を円順列という。

(i) 全部異なる\(n\)個の円順列 \[ (\text{円順列})=\class{mathkuu}{\underline{(n-1)!}} \]
  1. 1つを固定して数える:固定したものは区別できるので,残りの\(n-1\)個を一列に並べる\((n-1)!\)通りになる。
  2. 回転の重複で割る:\(n\)個を一列に並べる\(n!\)通りは,回転して同じになるものが\(n\)通りずつあるので,\(n!\div n=(n-1)!\)。
※\((n-1)!\)は全部異なるときの式。同じものを含むときは,そのままは使えない。
例題 \(7\)人が円卓に座る方法は何通りか。

解 \((7-1)!=\class{mathkuu}{\underline{720}}\)通り。(別解:\(7!\div 7=720\)通り)

例題 男子\(3\)人,女子\(3\)人が円卓に交互に座る方法は何通りか。

解 男子の1人を固定すると,男子の残り2人の座り方は\(2!\)通り。男子の間の\(3\)か所に女子が座る方法が\(3!\)通り。よって\(2!\times 3!=\class{mathkuu}{\underline{12}}\)通り。
(ii) 同じものを含む円順列 \[ (\text{円順列})=(\text{同じものを含む順列})\div\class{mathkuu}{\underline{n}} \] ただし,回転して自分自身に重なる並びがないときに限る。目安は,同じものの個数の最大公約数が\(1\)であること。 ・\(1\)個しかないものがあるときは,それを固定して,残りの「同じものを含む順列」を数える方法もある。
例題 赤玉\(3\)個,白玉\(2\)個を円形に並べる方法は何通りか。

解 同じものを含む順列は\(\dfrac{5!}{3!\,2!}=10\)通り。個数の最大公約数は\(1\)なので,回転の\(5\)で割って\(10\div 5=\class{mathkuu}{\underline{2}}\)通り。

別解:白玉\(2\)個のあいだにある赤玉の個数で分ける。\((0\text{個},\ 3\text{個})\)と\((1\text{個},\ 2\text{個})\)の\(2\)通り。

例題 赤玉\(1\)個,白玉\(2\)個,青玉\(3\)個を円形に並べる方法は何通りか。

解 赤玉は\(1\)個だけなので固定する。残り\(5\)個の順列は\(\dfrac{5!}{2!\,3!}=\class{mathkuu}{\underline{10}}\)通り。(別解:\(\dfrac{6!}{1!\,2!\,3!}\div 6=10\)通り)

例題 赤玉\(2\)個,白玉\(2\)個を円形に並べる方法は何通りか。

解 同じものを含む順列は\(\dfrac{4!}{2!\,2!}=6\)通り。これを回転の\(4\)で割ると\(1.5\)となり,整数にならない。実際は,赤赤白白と赤白赤白の\(\class{mathkuu}{\underline{2}}\)通りである。赤白赤白は,\(180^\circ\)回すと自分自身に重なるので,\(4\)通りずつの重複にならない。
Point 1A 6.2.7 じゅず順列
円順列のうち,さらに裏返して重なるものも同じとみなした並べ方をじゅず順列という(首飾り・ブレスレットなど)。

裏返しても自分自身に重なる円順列を,ここでは「対称なもの」とよぶことにする。 \[ (\text{じゅず順列})=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{(\text{円順列})+(\text{対称なもの})}{2}}} \] 理由:対称でない円順列は,裏返すと別の並びと重なるので,2個で1組になる。対称なものは,裏返しても自分自身なので,1個で1つ。よって \[ (\text{じゅず順列})=\dfrac{(\text{円順列})-(\text{対称なもの})}{2}+(\text{対称なもの}) \] を整理すればよい。

・全部異なる\(n\)個(\(n\geqq 3\))の円順列には,対称なものがない。よって\(\dfrac{(n-1)!}{2}\)となる。

・同じものを含むときは,対称なものが出ることがある。単純に\(2\)で割ると,合わないことがある。
例題 異なる\(7\)個の玉で首飾りを作る方法は何通りか。

解 \(\dfrac{(7-1)!}{2}=\class{mathkuu}{\underline{360}}\)通り。

例題 赤玉\(2\)個,白玉\(2\)個で首飾りを作る方法は何通りか。

解 円順列は赤赤白白と赤白赤白の\(2\)通りで,どちらも対称。よって\(\dfrac{2+2}{2}=\class{mathkuu}{\underline{2}}\)通り。(\(2\div 2=1\)では合わない。)

例題 赤玉\(2\)個,白玉\(1\)個,青玉\(1\)個で首飾りを作る方法は何通りか。

解 円順列は\(\dfrac{4!}{2!}\div 4=3\)通り。このうち対称なのは,赤白赤青の\(1\)つだけ。よって\(\dfrac{3+1}{2}=\class{mathkuu}{\underline{2}}\)通り。
Point 1A 6.2.8 選ぶ(組合せ \(_n\mathrm{C}_r\))
異なる\(n\)個から\(r\)個選ぶ(並べ方は問わない)方法は \[ _n\mathrm{C}_r=\class{mathkuu}{\underline{\dfrac{_n\mathrm{P}_r}{r!}}}=\dfrac{n!}{r!\,(n-r)!} \] つまり並べてから,同じ選び方が\(r!\)回ずつ重複している分で割る(数え上げ⑥の「重複度で割る」)。 よく使う性質:
  1. \(_n\mathrm{C}_r=\class{mathkuu}{\underline{_n\mathrm{C}_{n-r}}}\) (選ぶ\(\leftrightarrow\)残す,の言い換え)
  2. \(_n\mathrm{C}_r={}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1}+{}_{n-1}\mathrm{C}_{r}\) (特定の1個を選ぶ/選ばないで場合分け)
  3. \(_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1+\cdots+{}_n\mathrm{C}_n=\class{mathkuu}{\underline{2^n}}\) (各要素を入れる/入れないの\(2^n\)通り)
  4. \(r\,{}_n\mathrm{C}_r=\class{mathkuu}{\underline{n\,{}_{n-1}\mathrm{C}_{r-1}}}\) (\(n\)人から\(r\)人の委員を選び,その中から委員長を決める。委員を先に選ぶか,委員長を先に決めるかの2通りの数え方)
※二項定理の式\((1+x)^n=\sum {}_n\mathrm{C}_k x^k\)を微分すると,\(\sum k\,{}_n\mathrm{C}_k\)などが求まる(数Ⅱ微分の内容。2BC「二項定理を微分する」)。 例題:\(10\)人から\(4\)人の委員を選ぶ方法は?

\(\to\) 役職の区別が無いので選ぶだけ。\(_{10}\mathrm{C}_4=\class{mathkuu}{\underline{210}}\) 通り
Point 1A 6.2.9 重複を許して選ぶ(重複組合せ \(_n\mathrm{H}_r\))
\(n\)種類から重複を許して\(r\)個選ぶ方法は \[ _n\mathrm{H}_r=\class{mathkuu}{\underline{_{n+r-1}\mathrm{C}_{r}}}=\dfrac{(n+r-1)!}{(n-1)!\,r!} \] 公式を覚えるより,○と仕切り\(|\)の順列に読み替えて導けるようにしよう (⑤問題の状況と1対1に対応する別の例で考える)。 \[ \underbrace{\bigcirc\bigcirc}_{A}\;|\;\underbrace{\bigcirc}_{B}\;|\;\underbrace{\quad}_{C}\;|\;\underbrace{\bigcirc\bigcirc\bigcirc\bigcirc}_{D} \] ○が\(r\)個,仕切り\(|\)が\(n-1\)本。この\((n+r-1)\)個の並びのうち どこを仕切りにするかを選べばよい。 例題:\(4\)種類のパンから,重複を許して\(7\)個買う方法は?

\(\to\) ○\(7\)個と仕切り\(3\)本の順列と1対1に対応するので \(_4\mathrm{H}_7={}_{10}\mathrm{C}_7=\class{mathkuu}{\underline{120}}\) 通り \(x+y+z=r\)(\(x,y,z\)は\(0\)以上の整数)の解の個数も,まったく同じ図で数えられる。 誤答に注意:区別のあるものを分けるときは,○と仕切りの順列では合わない。○は入れ替えても同じ(区別しない)ものを表すからである。たとえば,区別のある\(3\)人を\(3\)つの部屋に入れる方法は\(3^3=27\)通りで,\({}_3\mathrm{H}_3=10\)通りではない。(くわしくは Point6.2.10)
Point 1A 6.2.10 【整理】区別があるか・ないか
表① 取り出し方で整理(\(n\)種類から\(r\)個)
並べる(順序を区別) 選ぶだけ
重複を許さない \({}_n\mathrm{P}_r\) \({}_n\mathrm{C}_r\)
重複を許す \(n^r\)(重複順列) \({}_n\mathrm{H}_r\)(重複組合せ)
重複組合せは,○と仕切りの順列に読み替えて数える。
例題 \(A,\ B,\ C,\ D,\ E\)の\(5\)文字から\(3\)文字を取り出す。次の\(4\)つの場合の数を求めよ。

(1) 重複を許さず並べる (2) 重複を許さず選ぶ (3) 重複を許して並べる (4) 重複を許して選ぶ

解 (1) \({}_5\mathrm{P}_3=\class{mathkuu}{\underline{60}}\)通り (2) \({}_5\mathrm{C}_3=\class{mathkuu}{\underline{10}}\)通り (3) \(5^3=\class{mathkuu}{\underline{125}}\)通り (4) \({}_5\mathrm{H}_3={}_7\mathrm{C}_3=\class{mathkuu}{\underline{35}}\)通り
表② 配る(ものを入れ物に入れる)
入れ物に区別あり 入れ物に区別なし
ものに区別あり \(n^r\) グループ分け
ものに区別なし 重複組合せ 書き出す
(\(n\):入れ物の数,\(r\):ものの数)

・\(n^r\):各ものについて,どの入れ物に入るかを選ぶ。

・グループ分け:入れ物に区別を付けて数えてから,重複度で割る。

・重複組合せ:\({}_n\mathrm{H}_r\)。○と仕切りの順列に読み替えて数える。
例題 (1) 区別のある\(3\)人を,\(A,\ B,\ C\)の\(3\)つの部屋に入れる(空き部屋があってもよい)方法は何通りか。

(2) 区別のないみかん\(5\)個を,\(3\)人に配る(\(0\)個の人がいてもよい)方法は何通りか。また,どの人にも\(1\)個以上配る方法は何通りか。

(3) 区別のある\(5\)人を,区別のない\(2\)つのチームに分ける(どちらも\(1\)人以上)方法は何通りか。

(4) 区別のないみかん\(5\)個を,区別のない\(3\)つの箱に入れる(空の箱があってもよい)方法は何通りか。

解 (1) 人も部屋も区別があるので,\({3}^3=\class{mathkuu}{\underline{27}}\)通り。

(2) みかんは区別しないので,○\(5\)個と仕切り\(2\)本の順列と考えて,\({}_3\mathrm{H}_5={}_7\mathrm{C}_2=\class{mathkuu}{\underline{21}}\)通り。どの人にも\(1\)個以上なら,先に\(1\)個ずつ配って残り\(2\)個を配ると考えて,\({}_3\mathrm{H}_2={}_4\mathrm{C}_2=\class{mathkuu}{\underline{6}}\)通り。

(3) チームに区別を付けると\(2^5-2=30\)通り。チームの入れ替え\(2!\)通りずつ重なっているので,\(30\div 2=\class{mathkuu}{\underline{15}}\)通り。

(4) 書き出すと,\(5,\ 4+1,\ 3+2,\ 3+1+1,\ 2+2+1\)の\(\class{mathkuu}{\underline{5}}\)通り。
誤答例 区別のある\(3\)人を\(3\)つの部屋に入れる方法を,○\(3\)個と仕切り\(2\)本の順列と考えて,\(\dfrac{5!}{3!\,2!}=10\)通りとしてしまう。

直し ○と仕切りの順列は,○が区別できない(入れ替えても同じ)ときの数え方である。人に区別があれば,入れ替えは別の入れ方なので,ものの区別がある行(表②の上の段)の公式を用いて\(3^3=27\)通りとなる。

誤答例 区別のないみかん\(5\)個を\(3\)人に配る方法を,\(3^5=243\)通りとしてしまう。

直し みかんには区別がないので「どのみかんが誰か」は数えない。数えるのは「誰に何個か」だけなので,\({}_3\mathrm{H}_5=21\)通り。

誤答例 区別のある\(5\)人を区別のない\(2\)チームに分ける方法を,\(2^5=32\)通りとしてしまう。

直し チームの入れ替えで重なる分を割る必要がある。さらに,\(1\)人も入らないチームができる場合(\(2\)通り)を除く。\((2^5-2)\div 2=15\)通り。
最初に確認すること:ものに区別があるか,入れ物(組)に区別があるか。
Point 1A 6.2.11 独立について まとめ
事象\(A\)と事象\(B\)が独立 \(\Longleftrightarrow\) \(P(A \cap B) = P(A) \times P(B)\)
事象\(A\)と事象\(B\)が独立でない \(\Longleftrightarrow\) \(P(A \cap B) \mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} P(A) \times P(B)\)
・「2つの試行 \( S, T \) が独立である」:その結果である \( S \) の事象 \( A \),\( T \) の事象 \( B \) について,一方で事象 \( A \) が起こり,もう一方で事象 \( B \) が起こる確率は \( P(A) \times P(B) \) で表される。つまり「試行が」独立であるとき,その試行によって生じる様々な事象は全て独立であるという事。
個人的に一番わかりやすいのは,下のようにカルノー図を描いて視覚的に捉える方法。

カルノー図を書いたときに区切りがズレなければ独立,ズレたら独立でない。
カルノー図
Point 1A 6.2.12 「隣り合う」ときたら・・・
「○と△が隣り合う」ときたら・・・原則,○と△をセットで考える!
Point 1A 6.2.13 人・モノは,断りがなければ区別する
人間は,(何も言われなくても)区別して考える!
Point 1A 6.2.14 グループ分け
グループ分けときたら・・・組に区別あるかに注目!

→区別なければ・・・原則,区別して数えたあと⑥ 重複度で割る!
Point 1A 6.2.15 条件・影響力の強いところから決める
(\(n\)回試行する問題など)「初手」または「最後の手」で場合分けする発想を!

数え上げのテクニック

全体像の図の緑囲い「数え上げのテクニックまとめ」の7項目を,例題つきで1つずつ見ていく。
Point 1A 6.3.1 【数え上げ】樹形図
数が小さいとき,条件が複雑で公式が使える形にならないときは,全部かくのが,数え落としが起きにくい。

・かく順番を辞書式に固定すれば,数え落とし・重複が起きない。

・途中で同じ枝ぶりのくり返しに気づけば,そのまま漸化式(方針③)につながる。 例題:硬貨を\(3\)回投げて,表が\(2\)回続けて出ない出方は?

\(\to\) 表を H,裏を T として樹形図をかくと HTH,HTT,THT,TTH,TTT の \(5\) 通り。
Point 1A 6.3.2 【数え上げ】表にまとめる
決めるものが2つのときは,縦横の表にすると数え落としが消える。

・さいころ\(2\)個は \(6\times 6\) の表,カード\(2\)枚は行と列,が定番。

・表のどの範囲を数えているかを図示できるのが強み。 例題:大小\(2\)個のさいころを投げて,目の和が\(7\)以下になるのは?

\(\to\) 大の目が\(1,2,\dots,6\)のとき,小の目はそれぞれ\(6,5,4,3,2,1\)通り。 計 \(21\) 通り。
Point 1A 6.3.3 【数え上げ】ベン図
「かつ」「または」「少なくとも」が出たらベン図。個数定理 \[ n(A\cup B)=n(A)+n(B)-\class{mathkuu}{\underline{n(A\cap B)}} \] \[ n(A\cup B\cup C)=n(A)+n(B)+n(C)-n(A\cap B)-n(B\cap C)-n(C\cap A)+\class{mathkuu}{\underline{n(A\cap B\cap C)}} \] ・「少なくとも1つ」は補集合(=方針②の余事象)と相性がよい。 例題:\(1\)から\(100\)までの整数のうち,\(3\)の倍数または\(5\)の倍数は?

\(\to\) \(33+20-6=\class{mathkuu}{\underline{47}}\) 個(\(15\)の倍数を1回引きすぎている分を戻す)。
Point 1A 6.3.4 【数え上げ】条件・影響力の強いところから決める
制限のあるところを先に決める。あとは自由なので単純な順列・組合せに帰着する (\(\to\) Point6.2.15 も同じ発想)。

・「両端が○」「隣り合う/隣り合わない」「特定の1人が△」などが合図。 例題:男子\(3\)人,女子\(3\)人を1列に並べ,両端がともに男子となる並べ方は?

\(\to\) 先に両端の男子を決めて \(3\cdot 2=6\) 通り。残り\(4\)人は自由で \(4!=24\) 通り。

\(\to\) \(6\times 24=\class{mathkuu}{\underline{144}}\) 通り。
Point 1A 6.3.5 【数え上げ】問題の状況と1対1に対応する別の例で考える
数えにくい状況を,数えやすい別の状況に翻訳する。翻訳が 1対1(もれなく,だぶりなく)であることを確認しておこう。 例題1(最短経路):右に\(4\)区画,上に\(3\)区画の碁盤の目を最短で進む道順は?

\(\to\) 道順は「\(\to\)を\(4\)個,\(\uparrow\)を\(3\)個並べた文字列」と1対1に対応する (=同じものを含む順列)。よって \(\dfrac{7!}{4!\,3!}={}_7\mathrm{C}_3=\class{mathkuu}{\underline{35}}\) 通り。

  ・通る点が指定されたら区間ごとに分けて掛ける。

  ・通れない点・道があれば全体からそこを通るものを引く(方針②)。 例題2(さいころ):\(1\)個のさいころを\(3\)回投げ,出た目を順に\(a,\ b,\ c\)とする。 \(a<b<c\) となる場合は何通りか。

\(\to\) \(a<b<c\) と決まっているので,\(3\)つの目を選べば並べ方は1通りに定まる。 つまり「\(1\)〜\(6\)の\(6\)個から\(3\)個選ぶ」ことと1対1に対応し \(_6\mathrm{C}_3=\class{mathkuu}{\underline{20}}\) 通り。

  「\(3\)回投げる」という見かけに引きずられないこと。 \(\to\) 続けて,\(a\leqq b\leqq c\) となる場合は何通りか。等号が入ると 同じ目を何回使ってもよいので,今度は「\(6\)種類から重複を許して\(3\)個選ぶ」ことと 1対1に対応する(\(\to\) Point6.2.9)。\(_6\mathrm{H}_3={}_8\mathrm{C}_3=\class{mathkuu}{\underline{56}}\) 通り。

  \(<\) なら「選ぶ」,\(\leqq\) なら「重複を許して選ぶ」。 どちらも並べ方が1通りに定まることが翻訳の根拠である。
Point 1A 6.3.6 【数え上げ】重複度で割る
区別して数えたあと,同じものを何回ずつ数えたかで割る。 \(_n\mathrm{C}_r\)(\(r!\)で割る)も,同じものを含む順列も,円順列も,全部これ。

・「何回ずつ」がどの場合も同じであることが条件。  場合によって重複度が違うときは,そのまま割ってはいけない  (じゅず順列の \(S\) がその例。\(\to\) Point6.2.7)。 例題:\(6\)人を\(2\)人ずつ\(3\)組に分ける方法は?(組に区別は無い)

\(\to\) 組に区別を付けて数えると \(_6\mathrm{C}_2\cdot{}_4\mathrm{C}_2\cdot{}_2\mathrm{C}_2=15\cdot 6\cdot 1=90\) 通り。

\(\to\) 組の並べ方 \(3!=6\) 通りずつ重複しているので \(\dfrac{90}{6}=\class{mathkuu}{\underline{15}}\) 通り。
Point 1A 6.3.7 【数え上げ】場合分け
  1. 排反に分ける \(\to\) 足す(和事象)。

    ・「もれなく,だぶりなく」が命。だぶるなら技3の個数定理で引く。

    ・ともに起こるものを数えるなら掛ける(積事象・独立)。
  2. 強いところから決める(\(\to\) 数え上げ④,Point6.2.15)。

    ・\(n\)回の試行なら「初手」または「最後の手」で切る。

    ・そのまま漸化式(方針③)になることが多い。
例題:\(1\)〜\(5\)の\(5\)枚のカードから\(3\)枚選ぶとき,和が偶数になるのは?

\(\to\) 和が偶数 \(\iff\) 偶数のカード(\(2,4\))を\(0\)枚または\(2\)枚選ぶ。この\(2\)つは排反。

\(\to\) \(0\)枚のとき \(_3\mathrm{C}_3=1\) 通り,\(2\)枚のとき \(_2\mathrm{C}_2\cdot{}_3\mathrm{C}_1=3\) 通り。

\(\to\) 計 \(4\) 通り。