3C 第1章
関数
関数問題のテーマは3つ!
\(①\) グラフ,\(②\) 方程式・不等式,\(③\) 最大最小!
分数関数
Point 3C 1.1.1 【復習】グラフの平行・対称移動と対称性のまとめ
以下の関数のグラフは,関数\(y=f(x)\)のグラフを,
また,関数\(y=f(x)\)が以下の条件を満たすとき,グラフは次の対称性をもつ。
- \(y-q=f(x-p)\):\(x\)軸方向に\(p\),\(y\)軸方向に\(q\)だけ平行移動
- \(-y=f(x)\: (y=-f(x))\): \(x\)軸に関して対称移動
- \(y=f(-x):\ \)\(y\)軸に関して対称移動
- \((y=-f(-x)):\ \)原点に関して対称移動
また,関数\(y=f(x)\)が以下の条件を満たすとき,グラフは次の対称性をもつ。
- \(f(-x)=f(x)\): \(y\)軸に関して対称 (偶関数)
- \(-f(-x)=f(x):\ \)原点に関して対称 (奇関数)
Point 3C 1.1.2 分数関数\(y=\dfrac{k}{x-p}+q\)のグラフと性質
分数関数\(y=\dfrac{k}{x-p}+q\) (\(k\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\))のグラフは,関数\(y=\dfrac{k}{x}\)のグラフを
\(x\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{p}}\),\(y\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{q}}\)だけ平行移動した直角双曲線 漸近線:2直線\(x=p\),\(y=q\)である。
定義域:\(x\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} p\),値域:\(y\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} q\)
※\(k\)の正負によって,グラフの位置(漸近線に対してどちらの斜めのペアか)が変わる。
\(x\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{p}}\),\(y\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{q}}\)だけ平行移動した直角双曲線 漸近線:2直線\(x=p\),\(y=q\)である。
定義域:\(x\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} p\),値域:\(y\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} q\)
※\(k\)の正負によって,グラフの位置(漸近線に対してどちらの斜めのペアか)が変わる。
Point 3C 1.1.3 分数関数\(y=\dfrac{ax+b}{cx+d}\)のグラフ
分数関数\(y=\dfrac{ax+b}{cx+d}\) (\(c\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\))ときたら,\(y=\)\(\dfrac{k}{x-●}+▲\)の形に変形せよ!
式処理のコツは,(分母の次数) \(>\) (分子の次数)になるように割ること!
式処理のコツは,(分母の次数) \(>\) (分子の次数)になるように割ること!
\(y=\dfrac{ax+b}{cx+d}\)と,\(y=\dfrac{k}{x-p}+q\)の2式の関係性は,2次関数の一般形\(y=ax^2+bx+c\)と,頂点の座標が知りたいときの平方完成形\(y=m(x-a)^2+b\)のようなもの。
\(y=\dfrac{ax+b}{cx+d}\)が一般形で,\(y=\dfrac{k}{x-p}+q\)が,漸近線やグラフの位置(漸近線に対してどちらの斜めのペアか)を知りたいときに便利な形と認識。
\(y=\dfrac{ax+b}{cx+d}\)が一般形で,\(y=\dfrac{k}{x-p}+q\)が,漸近線やグラフの位置(漸近線に対してどちらの斜めのペアか)を知りたいときに便利な形と認識。
\(y=\dfrac{ax+b}{cx+d}\)において\(c=0\)であるときはシンプルに一次関数(\(a\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\))または定数(\(a=0\))。
また,\(a:b=c:d\) すなわち\(ad=cb\),\(\dfrac{a}{c}=\dfrac{b}{d}\)のときも定数となる。
例えば\(a=3,\ b=6,\ c=1,\ d=2\)などとして考えてみよう。
また,\(a:b=c:d\) すなわち\(ad=cb\),\(\dfrac{a}{c}=\dfrac{b}{d}\)のときも定数となる。
例えば\(a=3,\ b=6,\ c=1,\ d=2\)などとして考えてみよう。
Point 3C 1.1.4
分数関数,\(\tan\)など,漸近線を持つグラフは,漸近線から描くとよい!
Point 3C 1.1.5 同値性の崩れ 〜分母をはらう〜
分母をはらうときは同値性が崩れないか,逆が成り立つか注意しよう。(以下の文字はすべて実数)
※難しければ分母をはらってひとまず必要条件で進めておき,十分性を確認する。
※個人的には,「同値」をマスターすることが高校数学の最終目標だと思っています。旺文社の本「記述式答案の書き方」,東進ブックスの「数学の真髄」,koga masakiさんのyoutube再生リスト「同値を制する者,受験数学を制す」あたりは最高の教材です。これらをマスターすれば,胸を張って数強と言えるでしょう。
- \[\dfrac{y-2}{x-1}=0\] \(\iff y-2=0\)かつ\(x\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 1\)
- \[\dfrac{2}{x-1}=x\] \[\iff 2=x(x-1)\]
- \[\dfrac{A}{B}> 0\] \(\iff AB> 0\ (<\)の場合も同様\()\)
- \[\dfrac{A}{B}\geqq 0\] \(\iff AB\geqq 0\) かつ\(B\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\ (\leqq\) の場合も同様\()\)
※難しければ分母をはらってひとまず必要条件で進めておき,十分性を確認する。
※個人的には,「同値」をマスターすることが高校数学の最終目標だと思っています。旺文社の本「記述式答案の書き方」,東進ブックスの「数学の真髄」,koga masakiさんのyoutube再生リスト「同値を制する者,受験数学を制す」あたりは最高の教材です。これらをマスターすれば,胸を張って数強と言えるでしょう。
無理関数
Point 3C 1.2.1 無理関数について
根号内に文字を含む式を無理式といい,根号内に\(x\)を含む関数を\(x\)の無理関数という。無理関数の定義域は,根号内が0以上になる実数全体である。
例えば物理において,単振動や単振り子(振り幅が十分に小さい微小振動時に単振動に近似される)の周期,\(T=2\pi\sqrt{\dfrac{m}{K}}\),\(T=2\pi\sqrt{\dfrac{l}{g}}\)などは,物体の質量\(m\)や糸の長さ\(l\)の無理関数の形で表される。
Point 3C 1.2.2 無理関数\(y=\sqrt{ax}\)のグラフと性質
無理関数\(y=\sqrt{ax}\) (\(a\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\))のグラフは,\(a\)の正負によって下図のようになる。
関数\(y=\sqrt{-x}\)のグラフ:放物線\(y^{2}=-x\)の\(y\geqq 0\)の部分
関数\(y=-\sqrt{-x}\)のグラフ:放物線\(y^{2}=-x\)の\(y\leqq 0\)の部分
1) \(a>0\)のとき,
定義域:\(x\geqq 0\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に増加する。
定義域:\(x\geqq 0\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に増加する。
2) \(a<0\)のとき,
定義域:\(x\leqq 0\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に減少する。
定義域:\(x\leqq 0\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に減少する。
関数\(y=-\sqrt{-x}\)のグラフ:放物線\(y^{2}=-x\)の\(y\leqq 0\)の部分
Point 3C 1.2.3 無理関数\(y=\sqrt{a(x-p)}\)のグラフと性質
無理関数\(y=\sqrt{a(x-p)}\) (\(a\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\))のグラフは,
関数\(y=\sqrt{ax}\)のグラフを\(x\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{p}}\)だけ平行移動したもの
関数\(y=\sqrt{ax}\)のグラフを\(x\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{p}}\)だけ平行移動したもの
\(a>0\)のとき,
定義域:\(x\geqq p\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に増加する。
定義域:\(x\geqq p\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に増加する。
\(a<0\)のとき,
定義域:\(x\leqq p\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に減少する。
定義域:\(x\leqq p\)
値域:\(y\geqq 0\)
単調に減少する。
Point 3C 1.2.4 無理関数\(y=\sqrt{ax+b}+c\)のグラフと性質
無理関数\(y=\sqrt{ax+b}+c=\sqrt{a\left( \class{mathkuu}{\underline{x+\dfrac{b}{a}}}\right)}+c\) (\(a\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 0\))のグラフは,
関数\(y=\sqrt{ax}\)のグラフを\(x\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{b}{a}}}\),\(y\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{c}}\)だけ平行移動したもの
関数\(y=\sqrt{ax}\)のグラフを\(x\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{-\dfrac{b}{a}}}\),\(y\)軸方向に\(\class{mathkuu}{\underline{c}}\)だけ平行移動したもの
\(a>0\)のとき,
定義域:\(x\geqq -\dfrac{b}{a}\)\(\ (ax+b\geqq 0)\)
値域:\(y\geqq c\)
単調に増加する。
定義域:\(x\geqq -\dfrac{b}{a}\)\(\ (ax+b\geqq 0)\)
値域:\(y\geqq c\)
単調に増加する。
\(a<0\)のとき,
定義域:\(x\leqq -\dfrac{b}{a}\)\(\ (ax+b\geqq 0)\)
値域:\(y\geqq c\)
単調に減少する。
定義域:\(x\leqq -\dfrac{b}{a}\)\(\ (ax+b\geqq 0)\)
値域:\(y\geqq c\)
単調に減少する。
Point 3C 1.2.5 同値性の崩れ 〜2乗とルート絡み〜
両辺を2乗するときも同値性には注意が必要。例えば,\(x=1\)の両辺を2乗した\(x^2=1\)は,\(x=-1\)も含んでしまう。
以下\(x,\ y\)は実数,\(x\geqq 0\)とする。
以下\(x,\ y\)は実数,\(x\geqq 0\)とする。
- \[y=\sqrt{x}\] \(\iff y^2=x\)かつ\(y\geqq 0\)
- \[y=\sqrt{x}\] \(\cancel{\iff} y^2=x\)かつ\(x\geqq 0\) この間違いをする人が多い。\(y^2=x\)の式に「\(x\)が0以上である」という意味合いは含まれているので,改めて加える必要がない。
- \(x\)も\(y\)も0以上なら, \[y=\sqrt{x}\] \[\iff y^2=x\]
- \[y>\sqrt{x}\] \(\iff y^2>x\)かつ\(y>0\)
- \[y<\sqrt{x}\] \(\iff y^2<x\)または\(y{\color{red}{<}}0\) ※\(y<0\)のときはそもそも必ず\(y<\sqrt{x}\)成り立つ。
逆関数・合成関数
Point 3C 1.3.1 関数とは 〜1対多はダメ!!〜
関数(函数)とは,定義域内のものを一つ函(ハコ)に入れると,ハコの中で2乗されたり足し引きされたりと,\(f\)で定められた通りに加工をされて,何か別の値が出力されるものである。そして出てくる値の取りうる範囲が値域である。
関数は時折自販機に例えられる。一般的な自販機のルールは,
1. 1つのボタンを押して,複数のドリンクが出てくるようなことはあってはならない。
2. 欲しいドリンクが出てくるボタンは複数あってもよい。
これを関数に置き換えると,
1. 定義域内の1つの値\(x\)を入力(押せるボタンの中から一つ選ぶ)すると,出てくる値\(y\)は1つでなくてはならない。(1対多:×)
2. 同じ\(y\)という値がでてくるような\(x\)は複数あってもよい。(1対1,多対1:◯)
2次関数で考えると分かりやすい。関数\(y=x^2\)において,\(y=4\)となる\(x\)は,\(2\)と\(-2\)の2つあるが,関数と呼んできた。逆に,\(x=y^2\)のように,1対多のものを\(x\)の関数と言うことは間違いである。(もちろん\(x\)は\(y\)の関数であるというのは正解。)
円や楕円など,陰関数表示\(f(x,\ y)=0\)という言い方もするので勘違いしやすいが,一般的に,円\(x^2+y^2-1=0\)を円関数とは呼ばない。
関数は時折自販機に例えられる。一般的な自販機のルールは,
1. 1つのボタンを押して,複数のドリンクが出てくるようなことはあってはならない。
2. 欲しいドリンクが出てくるボタンは複数あってもよい。
これを関数に置き換えると,
1. 定義域内の1つの値\(x\)を入力(押せるボタンの中から一つ選ぶ)すると,出てくる値\(y\)は1つでなくてはならない。(1対多:×)
2. 同じ\(y\)という値がでてくるような\(x\)は複数あってもよい。(1対1,多対1:◯)
2次関数で考えると分かりやすい。関数\(y=x^2\)において,\(y=4\)となる\(x\)は,\(2\)と\(-2\)の2つあるが,関数と呼んできた。逆に,\(x=y^2\)のように,1対多のものを\(x\)の関数と言うことは間違いである。(もちろん\(x\)は\(y\)の関数であるというのは正解。)
円や楕円など,陰関数表示\(f(x,\ y)=0\)という言い方もするので勘違いしやすいが,一般的に,円\(x^2+y^2-1=0\)を円関数とは呼ばない。
Point 3C 1.3.2 逆関数の導き方
STEP1. 関数\(y=f(x)\)を\(x\)について解き,\(x=g(y)\)の形にする。
STEP2. 変数\(x\)と\(y\)を入れ換え,\(\class{mathkuu}{\underline{y=g(x)}}\ (=f^{-1}(x))\)とする。
STEP3. 逆関数\(=f^{-1}(x)\)の定義域(と値域)は,元の関数\(f(x)\)の値域(と定義域)と同じとなる(入れ換わる)。
STEP2. 変数\(x\)と\(y\)を入れ換え,\(\class{mathkuu}{\underline{y=g(x)}}\ (=f^{-1}(x))\)とする。
STEP3. 逆関数\(=f^{-1}(x)\)の定義域(と値域)は,元の関数\(f(x)\)の値域(と定義域)と同じとなる(入れ換わる)。
Point 3C 1.3.3 逆関数の性質
逆関数の定義から,次のことが成り立つ。
\[b=f(a) \iff a=f^{-1}(\class{mathkuu}{\underline{b}})\] また,関数\(y=f(x)\)のグラフと関数\(y=f^{-1}(x)\)のグラフは,直線\(y=x\)に関して対称。
Point 3C 1.3.4 指数関数と対数関数の関係性
対数の定義 \(y=a^x \iff \class{mathkuu}{\underline{x=\log_a y}}\)(\(a>\)\(0\) かつ \(a\)\(\mathrel{\bcancel{\mkern-8mu=\mkern-8mu}} 1\))より,
指数関数\(y=a^x\)と対数関数\(y=\class{mathkuu}{\underline{\log_a x}}\)は,逆関数の関係性にある。
したがって,\(y=a^x\)のグラフと\(y=\log_a x\)のグラフは,直線\(y=x\)に関して対称。
Point 3C 1.3.5 「逆関数が存在する」ときたら・・・
結論から言えば,
逆関数が存在する\(\iff\) 関数\(y=f(x)\)は単調増加または単調減少
例題 次の\(x\)の関数のうち,逆関数が存在するのはどちらか。
① \(y=x^2\) ② \(y=\sqrt{x}\)
解 ②
cf.) 「あみだくじ」は「1対1の関数」であり,あみだくじを逆向きにたどることが逆関数の動きを表す。同じあみだくしを逆さにくっつけると,
後述の\((f^{-1}\circ f)(x)=f^{-1}(f(x))=x\)が成り立つことが直感的に理解できる。
逆関数が存在する\(\iff\) 関数\(y=f(x)\)は単調増加または単調減少
\((\iff\) すなわち関数\(y=f(x)\)は,1対1の関数\()\)
である。なぜこうなるかというと先述のポイントの通り,関数(1対1または多対1のみ)のうち,入出力を入れ替えた逆も関数であるためには,元の関数が1対1でないといけないから。例題 次の\(x\)の関数のうち,逆関数が存在するのはどちらか。
① \(y=x^2\) ② \(y=\sqrt{x}\)
解 ②
cf.) 「あみだくじ」は「1対1の関数」であり,あみだくじを逆向きにたどることが逆関数の動きを表す。同じあみだくしを逆さにくっつけると,
後述の\((f^{-1}\circ f)(x)=f^{-1}(f(x))=x\)が成り立つことが直感的に理解できる。
Point 3C 1.3.6 合成関数
\(y=g(u)\),\(u=f(x)\)として,\(y=g(u)\)に\(u=f(x)\)を代入すると,\(y=g(f(x))\)が得られ,\(y\)は\(x\)の関数となる。\(g(f(x))\)を,\(f(x)\)と\(g(x)\)の合成関数といい,\(\class{mathkuu}{\underline{(g\circ f)(x)}}\)とも表す。
ただし,この合成関数\(g(f(x))\)が存在するのは,\(f(x)\)の値域が\(g(x)\)の定義域に含まれているときである。
※注:一般に,\((g\circ f)(x)\)と\((f\circ g)(x)\)は一致しない。(一致するorしない)
ただし,この合成関数\(g(f(x))\)が存在するのは,\(f(x)\)の値域が\(g(x)\)の定義域に含まれているときである。
Point 3C 1.3.7 逆関数同士の合成関数
関数\(f\)と,その逆関数\(f^{-1}\)について次のことが成り立つ。
\[(f\circ f^{-1})(x)=(f^{-1}\circ f)(x)=\class{mathkuu}{\underline{x}}\] cf.) 「あみだくじ」は「1対1の関数」であり,あみだくじを逆向きにたどることが逆関数の動きを表す。同じあみだくしを逆さにくっつけると,\((f^{-1}\circ f)(x)=f^{-1}(f(x))=x\)であることが直感的に理解できる。
この章の振り返り
いかがでしたでしょうか。この章は、分数関数・無理関数・逆関数と合成関数という、関数そのものを扱う道具を整える章でした。数Ⅲの計算に入る前に、扱う対象の形を正確に把握しておくための準備という位置づけです。分数関数と無理関数では、グラフの形を基本形からの移動として捉えるのが要でした。\(y=\dfrac{ax+b}{cx+d}\)は、変形すれば\(y=\dfrac{k}{x-p}+q\)の形になり、漸近線の位置がそのまま読めます。無理関数も同じで、ルートの中を\(a(x-p)\)の形に整えれば、定義域と向きが決まります。式を見て図が浮かぶ状態にしておくと、後の極限や面積の計算で確認に使えます。
そしてこの章で繰り返し出てきたのが同値性の崩れでした。分母をはらう、両辺を\(2\)乗する。どちらも式を扱いやすくする操作ですが、同時にもとの条件より広い範囲を許してしまう操作です。だから最後に、出てきた解がもとの式を満たすかどうかを確認する必要があります。ここは数Ⅲ全体を通じて問われ続ける論点なので、この章で癖にしておきたいところです。
逆関数では、\(1\)対多になってはいけないという条件が中心でした。逆関数が存在すると言われたら、もとの関数が単調であることが要求されている。グラフが\(y=x\)に関して対称になる、定義域と値域が入れかわる、という性質も、この一点から出てきます。指数関数と対数関数が逆関数の関係にあると気づけると、前の学年で別々に覚えた\(2\)つがつながります。