フレーズとソロ作り
この章の目標
- ペンタトニックの中で,コードトーンをねらって着地できる
- チョーキング,ハンマリング,プリング,スライド,ビブラート,ダブルストップを使い分けられる
- 短いフレーズをくり返して,8小節のソロを組み立てられる
スケールを上下するだけでは,ソロにならない
ペンタトニックの形を覚えても,順番に上り下りするだけでは練習のように聞こえます。ソロをメロディにするコツは,第9章と同じです。
コードトーンの場所を知る
キー Am(C)の曲を,A マイナーペンタのポジション1で弾くとします。下の図は,進行 Am → F → C → G のそれぞれのコードトーン(R・3・5)が,同じ範囲のどこにあるかを示したものです。
F と B はペンタトニックにない音ですが,コードが F や G のときには着地の音として使えます。コードが変わるたびに全部を追う必要はありません。まずは「Am のときは A か C か E で終わる」から始めます。
奏法で表情を付ける
同じ音でも,弾き方で表情が変わります。ギターが「歌う」ための道具です。
| 奏法 | 記号 | やり方と効果 |
|---|---|---|
| チョーキング | cho | 弦を押し上げて音を上げる。全音上げが基本。上げた先の音程を正確に |
| ハンマリング | H | 弾いたあと,別の指で高いフレットをたたいて音を出す。なめらかにつながる |
| プリング | P | 押さえた指で弦を引っかけるように離して,低い音を出す |
| スライド | S | 押さえたまま指をすべらせて,次のフレットへ移る |
| ビブラート | 〜 | 伸ばす音を細かく揺らす。チョーキングを小さくくり返す感覚 |
A マイナーペンタのポジション1で,チョーキングによく使うのは次の2か所です。どちらも全音上げると,ペンタトニックの次の音になります。
- 3弦7フレット(D)→ 全音上げて E(5度)
- 2弦8フレット(G)→ 全音上げて A(ルート)
ベースでは,ハンマリング,プリング,スライドをよく使います。
チョーキングのコツ
チョーキングには,半音上げるハーフ(half)と,全音上げるフル(full)があります。TAB 譜にどちらかが書いてあります。
ユニゾンチョーキング となり合う2本の弦を同時に弾き,太いほうの弦だけをチョーキングして,細いほうの弦と同じ高さまで上げる奏法です。2つの音がぴったり合う直前の,少しずれてうなっている瞬間に迫力が出ます。
3弦7フレットを全音上げると2弦5フレットと同じ E,2弦8フレットを全音上げると1弦5フレットと同じ A になります。
ダブルストップ
2本の弦を同時に鳴らす弾き方をダブルストップといいます。ブルースやロックンロールのソロによく出てきて,単音よりも太く,コードっぽく聞こえます。キー A のブルースでよく使う形は次の3つです。
- 4度(となりの2本):同じフレットなら1本の指の腹でまとめて押さえる。1弦5フレットと2弦5フレットは A と E。
- 6度(1本とばした2本):1弦と3弦を弾き,間の2弦は押さえている指の腹でふれて音を止める。ピックで2弦ごと弾いても,鳴るのは2本だけになる。
- 6度で平行移動:コードの音を2つずつ拾える形。D7 なら 1弦10フレット(D)と3弦11フレット(F♯),E7 なら 1弦12フレット(E)と3弦13フレット(G♯)。コードが変わったら,同じ形のままコードの位置へスライドする。
ピックは,2本の弦だけを1回でかすめるように小さく振ります。指で弾くなら,親指と人差し指(または中指)で2本を同時につまむように弾く方法もあります。第23章の H に,ダブルストップを使った16小節のブルースのソロがあります。
フレーズの例
A マイナーペンタのポジション1で作った,短いフレーズの例です。リズムは8分音符を基本に,自由に変えてかまいません。
例1 下りてきてルートに着地する(Am の上で)
例2 チョーキングで始めて,歌うように伸ばす
例3 ハンマリングとプリングでなめらかに
例4 同じリズムをくり返して,コードに合わせて最後の音だけ変える
例4の最後の音は,Am では E,F では F,C では G,G では B です。どれもそのコードのコードトーンです。
8小節のソロを組み立てる
| 小節 | 内容 |
|---|---|
| 1〜2 | モチーフを出す(短く,覚えやすく) |
| 3〜4 | モチーフをくり返す。最後だけ少し変える |
| 5〜6 | 音域を上げる,音数を増やすなどして盛り上げる |
| 7〜8 | 一番高い音か長い音で山を作り,ルートに着地する |
2人のギターで同じフレーズを3度でハモると(第9章),一気に華やかになります。
フレーズを書く欄 講座で習ったフレーズや,耳コピしたフレーズ,自分で作ったフレーズを書きましょう。
問1 進行 Am → F → C → G で,それぞれのコードの上でフレーズを終えるのに合う音を,下から選びなさい(合う音をそれぞれ選ぶこと)。
【 A B C D E F G 】
- (1)Am
- (2)F
- (3)C
- (4)G
この章のまとめ
- フレーズの最後や伸ばす音を,コードトーンにする。
- 弾きっぱなしにせず,区切って休む。
- 短いモチーフをくり返して,少しずつ変える。
- チョーキングは,上げた先の音程を正確に。