3和音
この章の目標
- 12個のメジャーコードを,覚えるのではなく自分で作れる
- マイナー,dim,aug,sus4 を作り分けられる
- コードネームを見て構成音が言える。構成音を見てコードネームが言える
- 転回形を使って,手をあまり動かさずにコードチェンジできる
コードとは
高さの違う音を3つ以上同時に鳴らしたものをコード(和音)といいます。3つの音でできたコードが3和音(トライアド)で,ほかのコードの土台になります。
コードの基準になる音をルートといいます。コードネームの先頭の大文字がルートです。C なら C,F♯m なら F♯ がルートです。
メジャーコード
第1章の最初に弾いた C の中身を,半音の数で調べてみます。
この作り方は,どの音をルートにしても同じです。F なら F から半音4つ上が A,さらに3つ上が C なので,F・A・C。D なら D・F♯・A となり,真ん中が黒鍵になります。
問1 残りのメジャーコードを作りなさい。ルートから半音4つ,さらに3つを数えて印を付け,下の欄に構成音を書くこと。
マイナーコード
メジャーコードの真ん中の音(3度)を半音下げると,マイナーコードになります。コードネームは,ルートの右に小文字の m を付けて Cm(シー・マイナー)と書きます。
メジャーとマイナーの違いは3度の音だけです。右手の親指・中指・小指で C を押さえているなら,中指を半音下げるとマイナーになります。ルートと5度は変わらないので,両端の距離(完全5度)は同じです。メジャーは明るく,マイナーは暗く聞こえる,とよく言われます。
問2 次のマイナーコードの音に印を付け,構成音を書きなさい。
dim と aug
半音3つ(短3度)と半音4つ(長3度)を2つ積む方法は,4通りあります。メジャーとマイナーのほかに,あと2つ残っています。
- dim:マイナーコードの5度を半音下げた形(1・♭3・♭5)。不安定で,次のコードに進みたくなる響き。
- aug:メジャーコードの5度を半音上げた形(1・3・♯5)。ふわっと浮いたような響き。
どちらも単独で長く鳴らすことは少なく,コードとコードの間をつなぐ役でよく使われます(第6章)。
sus4
メジャーコードの3度を,半音上の完全4度に置きかえたコードを sus4(サスフォー)といいます。
C を押さえた形から中指を半音上げると sus4 です。3度がないので,明るいとも暗いとも言いにくい響きになります。Csus4 → C のように,4度の音が3度に下がって落ち着く使い方が定番です。
5種類の3和音のまとめ
| 種類 | 書き方 | 半音の積み方 | 度数 | C がルートのとき |
|---|---|---|---|---|
| メジャー | C | 4 + 3 | 1・3・5 | C・E・G |
| マイナー | Cm | 3 + 4 | 1・♭3・5 | C・E♭・G |
| ディミニッシュ | Cdim | 3 + 3 | 1・♭3・♭5 | C・E♭・G♭ |
| オーギュメント | Caug | 4 + 4 | 1・3・♯5 | C・E・G♯ |
| サスフォー | Csus4 | 5 + 2 | 1・4・5 | C・F・G |
問3 次のコードの構成音を答えなさい。
- (1)A
- (2)Em
- (3)Gsus4
- (4)Bdim
- (5)Faug
- (6)F♯m
- (7)Asus4
- (8)Ddim
- (9)B♭m
問4 次の3つの音でできるコードの名前を答えなさい(左の音がルート)。
- (1)F・A・C
- (2)A・C・E
- (3)B・D・F
- (4)D・G・A
- (5)E・G♯・B
- (6)C・E・G♯
- (7)G・B♭・D
- (8)E♭・G・B♭
転回形
C の構成音は C・E・G ですが,この3つを下から C・E・G の順に並べなくてもかまいません。音の順番を入れかえた形を転回形といいます。
一番下の音を1オクターブ上に移すと,次の転回形になります。どれも C・E・G の3つなので,コードネームは同じ C です。
転回形が役に立つのは,コードチェンジのときです。C → F → G → C を基本形だけで弾くと,手が大きく動きます。転回形を使って「近い音へ動く」「同じ音は動かさない」ようにすると,手の動きが小さくなり,つながりもなめらかに聞こえます。
問5 Am → F → C → G の順に弾きます。Am は基本形(A・C・E)から始めて,手の動きがなるべく小さくなるように,残りの3つのコードの音に印を付けなさい。
この章のまとめ
- メジャーは「半音4つ,その上に3つ」。マイナーは「半音3つ,その上に4つ」。
- dim は「3つと3つ」,aug は「4つと4つ」,sus4 は3度を4度に置きかえる。
- コードネームの先頭の大文字がルート。
- 転回形にしてもコードネームは変わらない。同じ音は動かさず,近い音へ動かす。