リズムと譜読み
この章の目標
- 音符と休符の長さが「何拍分か」で言える
- カウントを数えながら,8分音符・16分音符のリズムを読める
- シンコペーションとシャッフルが,どういう仕組みのリズムか説明できる
拍・小節・テンポ
曲に合わせて手拍子をするとき,等間隔に打つ1回1回を拍(ビート)といいます。バンドで演奏する曲の多くは,4拍でひとまとまりになっています。このまとまりが小節です。楽譜の最初に書いてある 4/4 は「4分音符が1小節に4つ入る」という意味で,4分の4拍子と読みます。
この章のリズム譜は,音の高さを考えずにリズムだけを読めるよう,線を1本だけにしてあります。下の数字は拍の番号(カウント)で,色の付いたところで音を出します。
曲の速さはテンポといい,1分間の拍の数(BPM)で表します。BPM が 120 なら1分間に 120 拍なので,
となります。
音符と休符の長さ
4分音符を1拍として,音符と休符の長さは次のとおりです。休符は「その長さだけ音を出さない」という記号です。
| 音符 | 名前 | 休符 | 名前 | 長さ |
|---|---|---|---|---|
| 全音符 | 全休符 | 4拍 | ||
| 2分音符 | 2分休符 | 2拍 | ||
| 4分音符 | 4分休符 | 1拍 | ||
| 8分音符 | 8分休符 | 1/2 拍 | ||
| 16分音符 | 16分休符 | 1/4 拍 |
名前の数字は「全音符をいくつに分けたか」を表しています。8分音符や16分音符が続くときは,はたをつないで1拍ごとにまとめて書きます。
| 全音符1つ | BPM |
| 2分音符2つ | BPM |
| 4分音符4つ | BPM |
| 8分音符8つ | BPM |
| 16分音符16個 | BPM |
付点とタイ
付点:音符の右に点を付けると,長さが元の 1.5 倍になります。
| 音符 | 名前 | 長さ |
|---|---|---|
| 付点2分音符 | 2+1=3 拍 | |
| 付点4分音符 | 1+1/2=11/2 拍 | |
| 付点8分音符 | 1/2+1/4=3/4 拍 |
タイ:同じ高さの2つの音符を弧でつなぐと,2つ目は弾き直さずに,長さを足して伸ばします。拍や小節をまたいで音を伸ばすときに使います。
2小節目の3拍目の頭は,タイでつながっているので弾き直しません(カウントに色が付いていません)。
問1 次の音符は,合わせて何拍分の長さですか。
- (1) 拍
- (2) 拍
- (3)拍BPM
- (4)拍BPM
- (5)拍BPM
- (6)拍BPM
- (7)拍BPM
- (8)拍BPM
問2 4分の4拍子の1小節に,次の音符が入っています。小節をうめるには,あと何拍分が必要ですか。
- (1)拍BPM
- (2)拍BPM
- (3)拍BPM
8分音符のリズム
8分音符は1拍を2つに分けた長さです。カウントは,拍の頭を数字,その間を「&」(エン)で数えます。
- 数字のところ(拍の頭)を表拍(おもてはく)
- & のところを裏拍(うらはく)
といいます。「ワン・エン・ツー・エン・スリー・エン・フォー・エン」と声に出しながら,色の付いたところで手をたたくと,リズムが読めます。
2小節目は裏拍だけで音を出すリズムで,「裏打ち」と呼ばれます。
問3 次のリズムで,音を出すところのカウントに○を付けなさい。
(1)
(2)
16分音符のリズム
16分音符は1拍を4つに分けた長さです。カウントは「1 e & a」(ワン・イー・エン・ア)と数えます。
1拍の中の組み合わせには,よく出てくる形があります。言葉を当てはめて覚えておくと,楽譜を見たときにすぐ読めます。
BPM | BPM | BPM |
| タカタカ | タンタカ | タカタン |
BPM | BPM | BPM |
| タタンタ | タッカ | タターン |
これらを並べると,1小節のリズムになります。
問4 次のリズムで,音を出すところのカウントに○を付けなさい。
(1)
(2)
シンコペーション
ふつうは表拍,とくに1拍目と3拍目が強く聞こえます。裏拍の音をタイで次の表拍まで伸ばすと,強く聞こえる位置が前にずれます。これをシンコペーションといいます。前のめりの勢いが出るリズムです。
| ふつう | BPM |
| シンコペーション | BPM |
下の段では,3拍目の頭で弾くはずの音を,8分音符1つ分だけ早く(2拍目の裏で)弾いて伸ばしています。
J-POP や J-ROCK でとくによく出てくるのが,次の小節の頭の音を8分音符1つ分早く弾く形です。「食う」と呼ばれ,コードチェンジも一緒に早くなります。
問5 次のリズムで,音を出すところのカウントに○を付けなさい。タイに注意すること。
3連符とシャッフル
1拍を3等分した音符を3連符といい,数字の 3 を付けて書きます。
3連符の真ん中を抜いて「タッタ・タッタ」と弾むように弾くリズムをシャッフルといいます。「ハネる」とも言います。
楽譜では,ふつうの8分音符で書いておいて,最初に「ハネて弾く」という指定だけを書くことがよくあります。同じ8分音符の楽譜でも,ハネるかハネないかで曲の雰囲気が大きく変わります。
食べ物の名前でリズムを覚える
リズムは,言葉を当てはめると覚えやすくなります。伸ばす音(ー)や「ッ」「ン」も長さに数えて,言葉をそのまま音符に当てはめて言ってみましょう。
BPM | BPM | BPM |
| 4分音符 | 8分音符2つ | 3連符 |
BPM | BPM | BPM |
| 16分音符4つ(タカタカ) | タンタカ | タカタン |
BPM | BPM | BPM |
| タタンタ | タッカ | シンコペーション(2拍分) |
3連符と16分音符は,1拍に入る音の数が3つか4つかの違いです。「バナナ」と「たこやき」を同じ1拍の長さで言い分けると,違いがつかめます。
言葉を並べると,長いリズムも読めます。
問6 次の食べ物の名前は,上の表のどの言葉と同じリズムで言えますか。
- (1)いちご
- (2)からあげ
- (3)そうめん
- (4)ベーコン
自分のリズムを書く欄 (「弾いてみよう」(2) で使います。音符の下に言葉も書きましょう。)
この章のまとめ
- 4分音符が1拍。8分は 1/2 拍,16分は 1/4 拍。付点は 1.5 倍。
- 8分のカウントは「1 & 2 & 3 & 4 &」,16分は「1 e & a」。
- 数字のところが表拍,& のところが裏拍。
- 裏拍の音を次の表拍まで伸ばすとシンコペーション。
- 3連符の真ん中を抜いて弾むリズムがシャッフル。
- 読みにくいリズムは,言葉を当てはめて言ってみる。